演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

分子標的薬による皮膚障害の症状マネジメントの実態調査

演題番号 : P75-9

[筆頭演者]
西谷 葉子:1 
[共同演者]
湯浅 幸代子:2、細見 裕久子:3、北山 奈央子:4、礒元 淳子:5、中野 宏恵:2、内布 敦子:2

1:京都第二赤十字病院、2:兵庫県立大学・看護学部、3:国立病院機構神戸医療センター、4:国立病院機構姫路医療センター、5:兵庫県立尼崎総合医療センター

 

【はじめに】分子標的薬による皮膚障害は重症化すると治療中止を余儀なくされ、重症化を予防する症状マネジメントは重要である。薬剤による症状コントロールだけでは限界があり、患者のセルフケア能力を高めることは症状マネジメントの成功要因となる。そこで、分子標的薬による皮膚障害に対して、患者が症状をどのように認知し対処しているか、症状が日常生活にどのように影響を与えているのか、その実態を明らかにすることで、患者が症状に気づき、対処していく為に必要な看護援助を導きだすことに寄与すると考え調査を行った。
【方法】2013年7月~2015年3月迄の期間中にEGFR阻害剤による治療を外来で受けており皮膚障害が出現した患者に同意を得て、症状出現時と6週間後の2回の面談を行った。インタビューの枠組みとしてDodd( 2001)らの症状マネジメントモデルを用いた。同時に出現した症状と皮膚の観察、CTCAE ver.4を用いたGrade評価、がん患者用自己効力感 ,Skindex29を用いたQOL評価、セルフケアレベルの判定を行い比較した。
【結果】研究協力者は5名で全員に皮膚乾燥がみられた。経過と共に複数の症状が出現したがGrade2以上の皮膚症状が出現した数の変化はなかった。自己効力感の平均値は、1回目(33.8)から2回目(30.8)と低下していた。QOL評価の平均値は、19.52から17.32と症状がQOLに影響した値は低下していた。セルフケアレベルは、4.4から2.6へと低下していた。症状の出現に大きな変化がなかったにも関わらず、自己効力感、セルフケアレベルは低下していた。セルフケアレベルの低下が著しかった一例は、爪囲炎の出現時に「我慢する」といった消極的な対処をしていた。一方、セルフケアレベルが上昇した者はいなかった。症状マネジメントの特徴として、外来で指導をうけ実施していても、時間が経過すると「仕方がない」とあきらめてしまう傾向がみられ、爪囲炎のように特徴的な症状の対処法を持ち合わせていない事例が散見された。
【考察】外来で定型的に行う指導・知識提供だけではセルフケア能力を上げることは難しく、症状を維持または悪化を防ぐ為の看護サポートが必要であると考える。
【倫理的配慮】兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所研究倫理委員会、研究協力施設の倫理委員会の承認を得た。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:がん看護

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