演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

イリノテカンのコリン様症状へブチルスコポラミン点滴法によりコントロールできた症例

演題番号 : P75-4

[筆頭演者]
岡田 優子:1 
[共同演者]
小川 喜通:2、武良 卓哉:2、谷口 仁司:2、清水 洋祐:3、平田 泰三:4

1:独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター・看護部、2:独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター・薬剤部、3:独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター・外科、4:独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター・腫瘍内科

 

【はじめに】イリノテカン塩酸塩(以下CPT-11)は、アセチルコリンエステラーゼを阻害する作用を有することが知られている。そのため、投与中、投与直後に発現する発汗や下痢はコリン作動性のものと考えられ、抗コリン製剤の投与が推奨されている。それらの患者に対して当院では、ブチルスコポラミン臭化物の静注や筋注を試みてきたが、点滴途中にて再度症状が発現する患者をしばしば経験する。そこで、CPT-11の点滴内にブチルスコポラミン臭化物を混注し投与する方法にて対処し良好な結果を得た症例を経験したので報告する。
【患者背景】大腸がんStageⅣ 73歳 男性Bevacizumab+XELOX療法:33コース、Bevacizumab+FOLFIRI療法:13コース、その後Vectibix+FOLFIRI療法にて治療中5コース施行
【経過】本症例では、Bevacizumab+FOLFIRI療法6コース目に、点滴途中に発汗の後に腹痛が見られた。 当初は点滴途中に1回程度下痢であったが、次治療時より徐々に回数が増し点滴途中に4~5回の排便となった。コリン作動性の下痢と判断し、ブチルスコポラミン臭化物注20mgを生理食塩液20mLに溶解し投与した。次治療時より、事前に予防的処置としCPT-11点滴前に、ブチルスコポラミン臭化物注20mgを生理食塩液20mLを投与するが、点滴終了前には下痢となり効果が不十分であった。その後、ブチルスコポラミン臭化物注の効果の持続を期待しCPT-11点滴前に筋注に変更し対応したが、同様の結果であった。そこで、CPT-11とブチルスコポラミン臭化物注の配合変化に問題がないことを確認の上、点滴内混注として予防投与を検討した。CPT-11点滴時に、5%ブドウ糖液250mL点滴ボトル内に、ブチルスコポラミン臭化物注20mgを混注し90分にて点滴行ったところ発汗、下痢等の症状は認められなかった。
【結果】CPT-11によりコリン作動性の発汗や下痢に対して、ブチルスコポラミン臭化物注の予防的投与において、静注、筋注による対応を行ってきたが、症状により効果が不十分な症例を経験した。その際、ブチルスコポラミン臭化物注をCPT-11点滴バッグ内に混注して投与することにより、点滴中のコリン作動性発現は抑制され発汗、下痢症状の発現なく治療を終了できた。点滴後の下痢症状もなく経過しており、ブチルスコポラミン臭化物注混注法の有用性が示唆された。今後これらの症例をもとに、さらなる臨床研究を進め、今回の投与方法の有効性評価を行うことが必要と考えらた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:支持療法

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