演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

大腸がん化学療法における管理栄養士の役割

演題番号 : P75-1

[筆頭演者]
日高 あゆみ:1 
[共同演者]
志垣 奏子:1、的野 敬子:2、荒木 靖三:2

1:大腸肛門病センター高野会くるめ病院・栄養科、2:大腸肛門病センター高野会くるめ病院・医局

 

【目的】がん化学療法において栄養管理は治療成績に影響を及ぼすことが明らかになっている。化学療法の副作用には摂食障害が多くみられるため、早期から十分な栄養管理を行い栄養状態を保つことは治療に重要である。当院では2011年8月より化学療法の入院患者対象に、副作用による摂食障害の対策として個別対応食「さわやか食」の導入を開始した。導入後、患者の摂取状況の変化を評価するために、さわやか食導入前後の欠食率の変化を調査した。また、導入後にどのようなメニューが好まれ、実際のニーズに合ったものを提供できているか嗜好調査を行ったので報告する。
【方法】欠食率の変化の調査対象者は、2011年に化学療法を受けていた入院患者46名とし、調査期間は導入前後6ヶ月をとした。さわやか食導入後の嗜好調査については、2013年4~5月、2014年5~9月に2回実施した。継続的に化学療法(入院・外来)を行っている患者11~12名が対象となった。
【結果】さわやか食導入後の欠食率は、導入前に比べ減少傾向にあった。嗜好調査結果では、副作用症状別に聞き取りを行った。食欲不振では吸い物、味覚の変化では味を感じにくいので濃い味付け、嗅覚の変化では炊き立てのご飯のにおいが気持ち悪くなるなどの意見がみられた。これを元に一部メニューの見直しを行った。2回目の調査も同様に聞き取りを行ったが、現在のメニューでほとんど対応できていたため、現在の対応を継続とした。
【考察】欠食率については、さわやか食があることで欠食率が0%になる良好な結果もあれば、さわやか食があっても全く嗜好に合わず利用しない、食事そのものが受け付けず少しだけさわやか食を利用して通常の病院食は全くとらないなどの理由で欠食率が減少しない結果もみられた。現在も継続して欠食率の変化を調査しているが、導入前に比べ全く何も食べずに過ごす患者は見られず、さわやか食の導入が化学療法患者の栄養状態の維持に貢献していると考えられる。メニュー内容に関しても、嗜好調査を通して、委託給食会社との間で出来る限りの対応ではあるが患者のニーズに沿ったものを提供できていると考えられる。現在、化学療法は外来が主流となり患者の食事に直接関わる機会が減少している。食事は治療の重要な要素であるため、これまでの経験を活かしながら化学療法患者への積極的な栄養サポートに取り組んでいきたい。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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