演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

胸膜癒着術とベバシズマブ+パクリタキセル療法が奏功した進行・再発乳癌の症例報告

演題番号 : P70-10

[筆頭演者]
片山 和久:1 
[共同演者]
塚越 律子:1、渡辺 裕:1、江原 玄:1、家田 敬輔:1、諸原 浩二:1、大澤 秀信:1、鈴木 秀樹:1、保田 尚邦:1、田中 司玄文:1

1:伊勢崎市民病院・外科

 

<緒論>日本においてベバシズマブ+パクリタキセル併用療法は、手術不能または再発乳癌に対する適応で2011年に承認されている。
今回我々は、進行・再発乳癌による癌性胸膜炎にて胸水貯留を来し、呼吸器症状等によるQOL低下を認めた症例に対しユニタルク胸膜癒着術とベバシズマブ+パクリタキセル療法を施行した。この治療により胸水再貯留を認めず、転移病変の縮小を認め著功を示した症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。

<症例1>
59歳、閉経後女性。2008年11月右乳癌T4cN1M0-stageⅢBに対して術前化学療法後に左乳房切除術を施行、AI剤による術後補助療法を5年目完遂していた。2015年9月咳嗽、呼吸困難感にて当院を受診し乳癌再発、癌性胸膜炎による胸水貯留の診断となった。同日入院となり胸腔ドレナージを施行。胸腔ドレナージ後にユニタルク胸膜癒着術1回施行し胸腔ドレーンを抜去、その1週間後にベバシズマブ+パクリタキセル療法を開始した。現在までに外来にて計6コース施行してるが、胸水再貯留なく経過良好である。
<症例2>
48歳、閉経期女性。2015年10月咳嗽、呼吸困難感にて近医を受診、右乳房腫瘍と右胸水貯留を認めた。右乳癌、肺転移、癌性胸膜炎の疑いにて当院に紹介入院となった。入院後に右乳房の生検と胸腔ドレナージを施行。胸腔ドレナージ後にユニタルク胸膜癒着術2回施行し、ベバシズマブ+パクリタキセル療法を開始した。現在までに外来にて計6コース施行してるが、胸水再貯留なく経過良好である。
<考察>
進行・再発乳癌の治療目的は症状緩和(Palliate Symptoms)、症状発現の先送り(Prevent Symptoms)、延命(Prolong Survival)の3つで、3つの"P"と呼ばれている。ベバスズマブ+パクリタキセル療法のエビデンスとしては症状緩和と症状発現の先送りであるが、本症例でも上述の通りであった。またユニタルク胸膜癒着術を施行することで速やかな症状緩和が得られたと考えた。
<まとめ>
今回、我々はユニタルク胸膜癒着術後ベバシズマブ+パクリタキセル療法が奏功した再発乳癌の2症例を経験した。癌性胸膜炎に伴う胸水貯留は患者のQOLを著しく低下させる原因になることから、そのコントロールは重要である。進行再発乳癌症例における癌性胸膜炎に伴う胸水貯留に対してユニタルク胸膜癒着術後ベバシズマブ+パクリタキセル療法は効果的な治療と考えた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:集学的治療

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