演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

乳癌の初回再発部位の検討

演題番号 : P70-9

[筆頭演者]
筒井 信一:1 
[共同演者]
今井 大祐:1、萱島 寛人:1、山口 将平:1、濱武 基陽:1、前田 貴司:1、松田 裕之:1

1:日本赤十字社広島赤十字・原爆病院・外科

 

(目的)乳癌再発後の治療のアルゴリズムを考える際に、初発再発部位は最初に考慮される指標である。そこで、今回、初発再発部位と他の臨床および生物学的因子との関連ならびに再発後の遠隔成績に関連する因子を検討した。(対象と方法)原発性乳癌切除時の標本に対し、腫瘍径、リンパ節転移、核異型、ER、Ki67、MVD(微小血管密度)、p53、Bcl-2、VEGF-A、VEGF-C、p27、C-kitの発現を検討した浸潤性乳管癌249例中再発を来した64例に対し、初発再発部位と関連ならびに再発後遠隔成績を検討した。(結果)64例の初発再発部位は、軟部組織再発(リンパ節、局所、軟部組織のみ)22例、骨再発(骨単独:13例もしくは骨と軟部組織:3例)16例、内臓再発(肺胸膜18例、肝:7例、その他:1例)26例であり、再発64例中2年以内の再発が36例で、2年以後が28例であった。初発再発分類と関連を認めたのは、リンパ節転移陽性では軟部組織、骨転移が多いのに対し、陰性で内臓転移が多く(p=0.0103)、Ki67との関連では、骨再発では、軟部、内臓再発に対し、Ki67陰性が多かった(p=0.0026)。初発再発部位分類による再発後の遠隔成績では、軟部組織、骨再発に対し、内臓再発の予後が有意に(p=0.0448)悪かった。そのほかでは、核異型(p=0.0294)、ER(p=0.0065)、Ki67(p=0.0268)で単変量解析で有意差を認めたが、原発性乳癌切除後で強力な予後因子であったリンパ節転移と微小血管密度は有意な因子ではなかった。再発後の遠隔成績に対する多変量解析では、再発部位分類(軟部組織)とERが独立した有意な因子であった。(まとめ)①初発再発部位と関連を認めるのは、リンパ節転移とKi67で、リンパ節転移陰性で内臓転移が多いのに対し、骨再発でKi67陰性が多かった。②初発再発部位は、ER、核異型、Ki67とともに、再発後の予後因子であり、また、初発再発部位とERは多変量解析で独立した有意な因子であった。③原発性乳癌切除後で強力な予後因子であったリンパ節転移と微小血管密度は再発後の予後因子ではなかった。以上の所見は再発後の治療法を選択する際に考慮すべきと考えられた

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:集学的治療

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