演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

乳房温存療法における晩期放射線皮膚障害の検討

演題番号 : P70-7

[筆頭演者]
中川 富夫:1 
[共同演者]
兼安 祐子:1、三好 和也:2、宇野 摩耶:2、宇田 憲司:3

1:独立行政法人国立病院機構福山医療センター・放射線治療科、2:独立行政法人国立病院機構福山医療センター・乳腺外科、3:うだ胃腸科内科外科クリニック

 

【目的】乳房温存療法における全乳房照射による晩期放射線皮膚障害を検討するため、患者の自覚症状を問診するとともに簡易測定器を用いて皮膚の水分量・油分量・弾性を検討したので報告する。【対象と方法】当院にて全乳房照射が行われた患者80名を対象とした。測定時の年齢は40-85歳(中央値58歳)で、右乳癌45例、左乳癌35例である。放射線治療は6MVX線にて全乳房照射50Gy/25回照射あるいは42.56Gy/16回照射されている。放射線治療後からの経過観察期間は7-144ヶ月(中央値64ヶ月)である。患者の自覚症状として皮膚の乾燥感(dryness)、発汗低下(decreased sweating)、硬さ(sense of hardness)、色素沈着(pigmentation)の左右差を問診した。また、簡易測定器(トリプルセンス)を用いて照射を受けた患側および照射されていない健側の乳房皮膚の水分量・油分量・弾性を計測して比較した。【結果】大半の患者では乾燥感や硬さの左右差を自覚していなかった。夏季に発汗低下を感じる方が数名いた。色素沈着は約20%で認められた。患側乳房は健側に比して水分量・油分量・弾性は有意に低下していた(p<0.001)。年代別の検討では特に40歳代で患側の油分量が著しく低下していた。ただし、健側でも年齢が進むほど油分量は低下するので、高齢者での影響は相対的に少なかった。経過期間別の検討では水分量は5年以降で有意に低下、油分量は2年以降で有意に低下、弾性は2-5年の期間で有意に低下していた。【結論】全乳房照射後の晩期皮膚障害に関して多くの患者では自覚症状はないが、客観的な評価では長期に水分量・油分量の低下と弾性の増加がみられ、皮膚ケアの必要性が示唆された。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:放射線治療

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