演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

集学的治療によりOncologic emergencyを脱し得た乳癌縦隔リンパ節再発の1例

演題番号 : P70-4

[筆頭演者]
田中 久美子:1 
[共同演者]
佐藤 洋子:1、永田 好香:1、小室 哲也:2、深井 隆太:3、下山 ライ:4、杉本 栄康:5

1:医療法人沖縄徳洲会湘南鎌倉総合病院・乳腺外科、2:医療法人沖縄徳洲会湘南鎌倉総合病院・集中治療部、3:医療法人沖縄徳洲会湘南鎌倉総合病院・呼吸器外科、4:医療法人沖縄徳洲会湘南鎌倉総合病院・外科、5:医療法人沖縄徳洲会湘南鎌倉総合病院・呼吸器内科

 

【症例】51才女性。同時両側乳癌(肺門リンパ節転移ありstageⅣ)に対し4FEC→4Docを施行後、画像上遠隔転移消失をみたため両側の手術も施行した。術後はホルモン療法で経過観察し、術後1年時には再発をみとめなかったが、1年3か月時に呼吸苦を主訴に内科受診。喘息の診断で加療されたが1週間後に著明な呼吸苦で当院ERを受診した。胸部Xpにて左無気肺がみられ、SpO2 79%と低下あり。挿管・呼吸器管理にても改善が得られず、Oncologic emergencyの状態であり、ERにて膜型人工肺(VV ECMO)挿入して循環管理し酸素化をはかった。単純CTおよび気管支鏡にて腫瘍の左主気管支圧排による無気肺と診断した。VV ECMOは翌日に離脱可能となったが、低血圧・SpO2 80台など呼吸・循環不全は持続した。Day3の造影CTにて後縦隔の6 cm大の再発腫瘍が左主気管支のみならず肺動脈を圧排していることが判明、換気血流比不均等もあると推定された。気管支ステント留置や照射等も検討したが、腫瘍の速やかな縮小が得られなければ呼吸・循環不全を脱し得ないと考え、全身状態不良ではあるが発症Day5 にBevacizumab-Paclitaxel(80mg/㎡)療法を行った。Day10 には気管切開を施行。Day11に無気肺の改善がみられ、Day12には左肺がほぼ完全に再膨張した。気管支鏡で気管支の開存も確認できた。その後ノルアドレナリンの持続投与も離脱でき、Day13には一般病棟へ転室。Day15 にはAfを生じたが、除細動やアミオダロン投与で改善した。Bev-Pac1クール投与終了時には転移腫瘍径は4cm程度に縮小し、肺動脈の狭窄も改善したが、前回CTでもみられた数個の肝転移は増大傾向であった。CTやUSで鎖骨下静脈血栓が確認されたためBev投与は終了とし、W-Pacのみを継続した。Day40 には呼吸器離脱でき、歩行・嚥下等のリハビリを行っていたが、腫瘍熱、高Ca・低Kなど電解質異常、低栄養状態が続き、2週後のCT評価で縦隔腫瘍の再増大および肝転移増悪をみとめた。全身状態から化学療法の継続は難しく、縦隔への照射を開始したが、病状は急速に進行し、右大腿骨の病的骨折、右の無気肺を生じ、今回のエピソード発症の約2か月後に乳癌死となった。
【結語】Oncologic emergencyに対する集中的・集学的なチーム医療とBev-Pac療法の速やかな腫瘍縮小効果により、一時的にせよ急性期を脱し得た乳癌縦隔再発の1例を経験した。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:集学的治療

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