演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

悪心嘔吐対策にBeyond Evidenceとしてのヒドロキシジンパモ塩酸の使用経験

演題番号 : P64-9

[筆頭演者]
関根 均:1,2 
[共同演者]
井澤 典子:1,2、照屋 正則:3、嶋崎 広典:1、本田 一春:1、金内 一:2,4

1:公立昭和病院・薬剤部、2:公立昭和病院・通院治療センター、3:公立昭和病院・消化器外科、4:公立昭和病院・乳腺内分泌外科

 

【背景・目的】がん化学療法施行時には、催吐性リスクに応じた制吐療法が海外のガイドラインや国内制吐薬適正使用ガイドラインに準じ実施され、CINV状況は改善傾向にあると考えられている。しかし、遅延性悪心症状に苦慮する場合もある。悪心嘔吐改善不良例に対しては、制吐対策強化やD2受容体拮抗薬、H2拮抗薬等の追加が選択されるが、その選択については一定の見解が得られていない。また、多受容体作用抗精神病薬(MARTA)であるオランザピンはNCCNガイドラインでオプションとして提示されているが、国内では保険適応外であること、眠気・耐糖能異常等の有害事象に注意する必要があり、高齢者などに使用しにくい面もある。当院では、標準制吐療法で改善が得られない場合にD2遮断薬が選択されることが多いが、それでも症状が改善されない場合にH1遮断薬のヒドロキシジンパモ塩酸を使用することがある。今回、標準予防制吐療法後に改善できていない悪心に対してヒドロキシジンパモ塩酸を使用した効果を調査したので報告する。
【方法】2012年1月から2016年3月の間に催吐リスクに応じた標準制吐療法後にヒドロキシジンパモ塩酸がCINV対策として投与された患者を対象に、急性期(抗がん剤投与後24時間以内)、遅発期(2-5日目)における悪心抑制効果(効果あり・やや効果あり・効果なし)を診療録から後方視的に調査した。調査にあたり個人情報を保護し公告することで倫理的配慮を行った。
【結果】対象患者は男性8名・女性11名の計19名、平均年齢60.2歳であった。CINVの発現状況は、急性期のみ悪心あり2名、遅延性のみ悪心あり10名、急性遅延性両方悪心あり7名であった。悪心抑制効果は、急性期のみではやや効果あり2名(100%)、遅延性のみでは効果あり4名・やや効果あり1名で計6名(67%)、効果なし3名、不明1名であった。急性・遅延性両方では効果あり1名・やや効果あり4名で計5名(71%)、効果なし2名であった。悪心抑制効果は全体で約70%であった。
【考察】今回の調査で催吐リスクに応じた標準制吐療法後のCINVに、オランザピンの薬理活性で一番強いH1遮断作用を有するヒドロキシジパモ塩酸がある程度効果を認めたことから、制吐療法の選択肢の一つとなることが示唆された。今後の課題として、前向き研究の必要性、使用する時期、有害事象や他の抗ヒスタミン薬の検討が挙げられる。

キーワード

臓器別:その他

手法別:支持療法

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