演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

発熱性好中球減少に対するペグフィルグラスチムの二次予防的投与の検討

演題番号 : P64-6

[筆頭演者]
櫻下 弘志:1 
[共同演者]
佐伯 康之:1、畝井 浩子:1、松尾 裕彰:1

1:広島大学・病院・薬剤部

 

【目的】持続型G-CSF製剤ペグフィルグラスチム(以下,ペグフィルグラスチム)は国内外のガイドラインにおいて一次予防効果として発熱性好中球減少症(以下,febrile neutropenia : FN)の発症率20%以上のレジメンに関しては使用が推奨されている。一方,実臨床において前サイクルにてFNを発症した患者などに対する二次予防効果もあるとされているが,十分なデータが得られていない。そこでペグフィルグラスチムが使用されることでの好中球減少とFNの発症および化学療法の相対治療強度(relative dose intensity:RDI)について調査したので報告する。
【方法】平成26年11月から平成27年10月の間に広島大学病院において,ペグフィルグラスチムが好中球減少予防の二次予防目的として使用された患者を対象とした。なお,今回の調査において二次予防の対象は,前サイクルまたは前治療においてGrade3又は4の好中球減少が起きていることまたはFNを発症していることとした。好中球減少・FNの発症については診療録から抽出した。また各レジメンについてG-CSF適正使用ガイドライン・EORTCガイドラインを用いてFNの発症リスクを評価した。
【結果】対象は,39名。その内訳は,入院17名,外来22名,性別は男性22名,女性17名,年齢の中央値65歳(36歳~88歳)であり,最も多いがん種は肺がん(非小細胞肺がん・小細胞肺がん)であった。投与回数は,中央値3回(1回~7回)であった。使用されたレジメンは,FN発症率20%以上のものは含まれていなかった。入院下でのペグフィルグラスチム投与後において,Grade3又は4の好中球減少又はFNの発症は認めなかった。外来での投与後,入院率(好中球減少・FN・好中球減少を伴わない感染症等での入院)は21.7%であった。また,化学療法のRDIは95%を維持した。
【考察】好中球減少とFN 予防は重症度や経過によって治療の継続や中止に関わり,また治療強度を低下させるため,マネジメントが重要である。今回ペグフィルグラスチムによる二次予防的投与は実臨床において有用な選択肢となりうることが示唆された。ペグフィルグラスチム投与について,2016年4月より一部の薬剤との組み合わせ以外は包括評価の対象となるが,不適切な使用は避けるべきであり,今後も症例を集積し,投与が必要な患者やレジメンの選択につなげてゆく必要があると考える。

キーワード

臓器別:その他

手法別:支持療法

前へ戻る