演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

当院におけるデノスマブ使用状況調査とその評価

演題番号 : P64-5

[筆頭演者]
髙原 悠子:1 
[共同演者]
木全 司:1、吉田 弘樹:1、鈴木 雅人:1、天野 杏南:1、松浦 美聡:2、石間伏 由紀:2、赤羽 和久:3、山室 理:4

1:名古屋第二赤十字病院・薬剤部、2:名古屋第二赤十字病院・看護部、3:名古屋第二赤十字病院・一般消化器外科、4:名古屋第二赤十字病院・産婦人科

 

【はじめに】骨転移は様々ながん腫で発生する。その進行は、疼痛、病的骨折、脊髄圧迫、高Ca血症などの骨関連事象を引きおこし、患者のQOLを低下させる。骨転移治療として、抗RANKL抗体であるデノスマブ(Dmab)の有用性が数多く報告されているが、重篤な低カルシウム血症発現について、2012年9月に緊急安全性速報が発出されている。当院では、安全管理のための院内指針を作成し、いくつかの改訂を経て現在に至っているが、今回、院内指針の遵守状況と指針内容について評価したので報告する。
【方法】2014年1月~2015年12月の2年間にDmabが投与された患者を対象とし、院内指針の遵守状況と、補正血清カルシウム値(sCa)の変動について、診療記録より後方視的に調査した。院内指針について、sCa測定は、投与前日あるいは当日とし、初回よりCa補充製剤の投与を原則としている。
【結果】調査期間中、Dmab投与患者数は83名、のべ投与回数は484回であった。Dmab投与前日及び当日のsCa測定状況は、初回投与では、82名の投与患者中75名(91.5%)、2回目投与時は69名中66名(95.7%)で実施されていた。のべ投与回数484回中では443回(91.5%)で測定されていた。Ca補充製剤が投与初回から処方されていた患者は70名(85.4%)、途中から処方された患者も含めると75名(91.5%)の患者で補充が行われていた。投与開始後、4名において低Ca血症を認めたが、いずれもGrade1であり、Ca補充製剤の調整により回復が認められた。また、低Ca血症発現時期は投与から29、36、58、82日目であり、一定の傾向はみられなかった。
【考察】Dmab投与に際し、sCa測定およびCa補充製剤処方は9割以上で実施されており、院内指針がほぼ遵守されていることがわかった。また、低Ca血症発現は4症例のみで、いずれもGrade1であったことから、安全にDmab投与が実施されていることもあきらかとなった。一方で、長期にわたり施行毎に採血を実施することの意義について議論されつつある。今回の調査結果より、投与5回目以降では低カルシウム血症の発現はなかったこと、市販後調査の結果から最も低カルシウム血症発現が多くみられたのは7~14日目であったことから、採血による患者への負担、また医療経済の観点より、sCaが安定していれば、4回目以降の投与においては、隔回採血とすることも検討の余地があると考えられた。今後、院内指針の見直しを行う予定である。

キーワード

臓器別:その他

手法別:支持療法

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