演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

乳がん患者におけるドセタキセルによる過敏症の投与量別発現状況

演題番号 : P64-2

[筆頭演者]
田崎 亜希子:1 

1:滋賀医科大学・病院・腫瘍センター

 

【背景】ドセタキセルは溶解に使用するエタノールや添加物による過敏症がたびたび問題となる。当院ではドセタキセル100mg/㎡レジメンを使用することもあり、過敏症予防策として1回目・2回目投与時の投与速度を緩徐に設定している。投与量による過敏症発現状況に違いがあるか、現在の過敏症予防策が適切であるかを検討するために調査を行った。
【目的】ドセタキセルによる過敏症について、100mg/㎡と75mg/㎡以下で発現状況を比較する。
【方法】2005年~2015年に乳がんに対しドセタキセルを投与された患者300例を対象とし、診療録から患者の属性とドセタキセルによる過敏症の発現状況を後方的に調査した。過敏症はCTCAE ver.4.0で評価した。
【倫理的配慮】院内の倫理審査委員会の承認を得た。
【結果】対象者300例の年齢中央値は54歳(27-74歳)で、アルコールアレルギーを有する患者にはエタノールを含む溶解液を使用せず調製して投与した。過敏症を発症した患者は29例(9.67%)で、100mg/㎡群では105例中13例(12.38%)、75mg/㎡以下群では212例中16例(7.55%)であった(P=0.16)。2007年4月より全症例にドセタキセルの前投薬へジフェンヒドラミンを追加したが、ジフェンヒドラミンの追加による過敏症発症率は100mg/㎡群と75mg/㎡以下群いずれにおいても有意差はなかった。発症時間の中央値は100mg/㎡群では10分(3-30分)、75mg/㎡以下群では12.5分(5-25分)であった。出現した症状は、100mg/㎡群では顔面紅潮9例(69.23%)、気分不快5例(38.46%)、呼吸器症状・動悸各4例(30.77%)の順で認め、75mg/㎡以下群では顔面紅潮6例(37.50%)、気分不快・関節痛各4例(25.00%)の順で認めた。症状は全てGrade1-2であり、バイタルサインの変化ではSpO2の低下が100mg/㎡群において3例(23.08%)に認められた。過敏症を発症した29例のうち、1例を除いて症状消失後の再投与ができた。
【考察】ドセタキセルによる過敏症は、100mg/㎡群と75mg/㎡以下群では発症頻度に有意差を認めなかった。発症時間は投与開始30分以内と投与速度を緩徐にしている間であるため、患者の症状が軽度でとどまっている可能性がある。
【結語】ドセタキセルによる過敏症において、100mg/㎡と75mg/㎡以下では発症頻度に差がなく、100mg/㎡投与においても75mg/㎡以下と同様の過敏症予防策でよい可能性が示唆された。また、患者の自覚症状での発症が多いため、患者の様子を注意深く観察する事が重要である。

キーワード

臓器別:その他

手法別:支持療法

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