演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

高齢者悪性グリオーマにおける好中球/リンパ球数比の検討

演題番号 : P61-8

[筆頭演者]
岡田 真樹:1 
[共同演者]
小川 大輔:1、畠山 哲宗:1、四宮 あや:1、三宅 啓介:1、田宮 隆:1

1:香川大学・脳神経外科

 

【背景】血液学的指標である好中球/リンパ球数比 (Neutrophil/Lymphocyte ratio, NLR)は、日常臨床において簡便に評価できる値である。近年では各種癌や心血管疾患 における予後予測への有用性が報告されており、この度高齢者悪性グリオーマにおけるNLRの有用性を検討した。 【対象】テモダール使用開始後の2006年12月から2015年12月の間、当院で加療を行った70歳以上の悪性グリオーマ 25例。男 11例、女14例。平均年齢75.8歳(70-86歳)、 組織型:WHO grade III:7例、grade IV:18例。治療内容、入院時NLR、入院時Karnofsky Performance Status (KPS)に着目し、生存予後との相関について検討を行った。 【結果】手術に関して、全摘・亜全摘:6例、部分摘出群:7例と生検群:9例を比較すると、生検群で予後不良(p=0.01)であった。非手術例:3例あり、脳幹部病変・出 血リスクが要因であった。化学療法について、20例にテモダール投与施行され、5例で感染症(非定型抗酸菌症)、胃潰瘍穿孔、血液学的副作用、肝障害および全身状態 不良のため早期中止・未施行であった。放射線治療は通常の拡大局所照射(54-60Gy):18例、short courseの照射(40-45Gy):3例、非照射:2例(患者希望、終末期医療へ の移行)であった。入院時KPS不良例で全生存期間が不良の傾向が見られたが、NLRについては全生存期間との有意な相関を認めなかった。NLR高値はCRP高値(p=0.049)お よびKPS不良(p=0.037)に相関し、KPS不良とCRP高値は相関を示した(p=0.036)が、CRP正常範囲(0.2mg/dl)の例に限った場合、これらの相関は認めなかった。 【考察】NLRはKPSと関連した値だが、他癌種で報告されているような予後との関連は認められなかった。NLRは簡便に評価可能な値であるが、測定時点の炎症反応の影響 を受けている。その評価や有用性については今後更なる検討を行う必要があると考えられた。

キーワード

臓器別:脳神経

手法別:バイオマーカー

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