演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

高齢者皮膚癌の放射線療法に対する当院での取り組み

演題番号 : P61-6

[筆頭演者]
近末 智雅:1 
[共同演者]
村木 宏一郎:1、明田 亮輔:1、氷室 秀知:1、宮田 裕作:1、服部 睦行:1、江藤 英博:1、辻 千代子:2、末藤 大明:3、淡河 恵津世:1、安陪 等思:1

1:久留米大学・医学部・放射線医学教室、2:医療法人社団高邦会高木病院・放射線治療センター、3:九州国際重粒子線がん治療センター

 

基底細胞癌・有棘細胞癌は放射線感受性が高く,その根治的治療には手術療法と放射線療法があり,ともに良好な局所制御率が得られる。
近年の皮膚癌患者の高齢化は著しく,高齢のため手術が困難な例や手術療法後の機能や整容性の低下(特に口唇や眼瞼,鼻,耳介周囲の腫瘍では腫瘍径に見合った十分な切除断端を確保しにくい)などの理由で十分な切除ができない症例に対する治療法の選択に苦慮する場合をしばしば経験する。
高齢者の場合には若年者に比べて二次がん等の晩期有害事象のリスクよりも治療後のADLが問題となる。放射線療法は外来治療が可能であり,入院による認知機能低下の回避につながる。しかし頻回の通院が患者・家族の負担にもなることもあり,我々は週1~3回の寡分割照射も試みている。
今回,我々は75歳以上(75~94歳)の高齢者皮膚癌に対する照射スケジュール,処方線量および有害事象について後ろ向きに検討を行った。
対象は2004年1月~2015年11月までの11年間に当院で放射線療法を行った皮膚癌(有棘細胞癌,基底細胞癌,脂腺癌)の75歳以上の症例40例を対象として,一次根治/緩和照射,処方線量,治療スケジュール,有害事象,局所制御率,無再発期間,再発症例の処方線量,外来/入院加療の割合,治療後のADL,認知症の頻度(罹患率),Performance status,再発について検討した。
観察期間(中央値2年)において重篤な晩期有害事象(Grade3以上)は認めず,急性期有害事象は皮膚炎Grade1~2であった。寡分割照射率は約40%であったが,適切な治療スケジュールを設定することで許容されると考えている。高齢者皮膚癌に対する放射線単独療法は,症例も少なく当施設独自のものであるが,2年局所制御率が88%と良好な成績が得られており,PSの低い症例でも安全に治療可能であった。
これらのデータをもとに高齢者皮膚癌の放射線療法プロトコールを作成し,症例を蓄積したので若干の文献的考察を加えて報告する。

キーワード

臓器別:皮膚

手法別:放射線治療

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