演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

診断に苦慮した悪性顆粒細胞腫の1例

演題番号 : P61-4

[筆頭演者]
遠藤 俊治:1 
[共同演者]
山田 晃正:1、池永 雅一:1、太田 勝也:1、中島 慎介:1、西川 和宏:2、大森 健:3、西嶌 準一:1

1:東大阪市立総合病院、2:独立行政法人国立病院機構大阪医療センター、3:地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター

 

顆粒細胞腫は全身の組織から発生する軟部腫瘤で、軟部腫瘤全体の0.5%とまれな腫瘍である。今回我々が経験した1例を報告する。症例は77歳女性。X年春から左鼠径部の腫瘤を自覚し、同年12月に近医で穿刺吸引細胞診を行い低分化癌と診断された。他院に紹介され、PETで左鎖骨下リンパ節、傍大動脈から左腸骨動脈リンパ節、左鼠径部リンパ節、両側肺野・肺門、頸椎などに集積を認めた。左鼠径部リンパ節摘出生検を行い、免疫染色でS-100、CD68、Vimentin陽性、HMB-45陰性で、原発不明癌と診断された。カルボプラチン+エトポシド療法を開始したが効果なく、X+1年3月に当院に紹介された。腹部は膨満し、左下肢の浮腫を認めた。腹水穿刺を行ったが、2回とも細胞診陰性であった。胸水細胞診は陽性であったが組織型は不明であった。腹水濾過濃縮再静注を繰り返しつつ、同年4月から盲目的にS-1投与を開始した。腹水のコントロールに難渋し、同年5月にデンバーシャント留置を行った。治療の効果なく、同年7月永眠した。病理解剖では下腹部、左鼠径部に2㎝までの多発性の皮下腫瘤が認められた。内部臓器では両肺に2㎝までの多発性の腫瘤が、肝には数mm大の複数の腫瘤が認められた。縦隔リンパ節、胸膜、横隔膜、腸管漿膜面、腸間膜、大動脈周囲リンパ節、骨盤内組織にも多数の結節が認められた。組織学的にはいずれも同じ組織型を示す腫瘍で、腫瘍細胞は大型で類円形、紡錘形、不整形の核と、顆粒状の豊富な細胞質をみとめた。免疫染色、特殊染色でVimentin陽性、S-100陽性、NSE陽性、Laminin陽性、CD68一部陽性、MITF陰性、TFE弱陽性、dPAS一部弱陽性、Alucian blue陰性、AE1/AE3陰性、CAM5.2陰性、EMA陰性、CD34陰性、LCA陰性、CA125陰性、αSMA陰性、Desmin陰性、MyoD1陰性、CD57陰性、CD99陰性、HMB-45陰性、MelanA陰性、WT-1陰性、p53陰性で、悪性顆粒細胞腫と考えられた。原発は左鼠径部皮下組織もしくは下腹部皮下組織と考えられた。

キーワード

臓器別:皮膚

手法別:病理

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