演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

非治癒手術を施行したStage Ⅳ胃癌における栄養指標と予後の検討

演題番号 : P6-5

[筆頭演者]
三松 謙司:1 
[共同演者]
吹野 信忠:1、木田 和利:1

1:独立行政法人地域医療機能推進機構横浜中央病院・外科

 

【目的】消化器癌における術後合併症の発生や予後を推定する栄養指標が報告されているが、それらの栄養指標を比較した検討は少ない。今回、非治癒手術を施行したStage IV胃癌における栄養指標と予後との関係を検討した。
【方法】対象は、当院で2006年から2015年までに胃切除または胃空腸吻合術が施行されたstage IV胃癌50例のうちデータ収集が可能であった34例。検討項目は、患者因子(年齢、性別、BMI、PS、ASA)、腫瘍因子(組織型、T因子、H因子、P因子、CY因子、M因子、CEA、CA19-9)、治療因子(術式、化学療法の有無)、栄養指標(三木のmodified Glasgow prognostic score (mGPS)、CONUT、好中球リンパ球数比(NLR)、小野寺のPrognostic nutritional index (PNI))。方法は、栄養指標別の累積生存率をKaplan-Meier法で算出し、有意差検定はLogrank法にて行った。生存率で有意差を認めた栄養指標において臨床病理学的因子を比較検討した。また、臨床病理学的因子の各項目を変数としてCox比例ハザードモデルを用いて予後因子解析を行った。
【結果】対象症例の年齢中央値は69.5歳、男性28例、女性6例、胃切除27例、胃空腸吻合7例、生存期間中央値は6.4ヶ月であった。各栄養指標による累積生存率は、mGPS(A-C群対D群:p=0.001)とNLR(≦2.5対>2.5:p=0.0071)で有意差を認め、生存期間中央値は、mGPS(A-C群)10.5ヶ月、mGPS(D群)4.3ヶ月、NLR(≦2.5)9.3ヶ月、NLR(>2.5)5.6ヶ月であった。mGPS(A-C群対D群)とNLR(≦2.5対>2.5)それぞれで臨床病理学的因子を比較検討すると、共に化学療法の有無に有意差を認め、mGPS(A-C群)とNLR(≦2.5)で有意に化学療法施行例が多かった。臨床病理学的因子における予後因子解析では、単変量解析の結果、化学療法有り(p=0.0015)、mGPS(A-C群)(p=0.0001)、NLR(>2.5)(p=0.0098)が予後因子として抽出され、これらを共変量とした多変量解析では、mGPSのみが独立予後因子であった(p=0.017、HR0.16:95%CI 0.036 - 0.721)。
【結語】mGPSは、非治癒手術を施行したStage IV胃癌における予後予測因子となる。また、化学療法によりmGPSのA-C群はD群より優位に予後が延長すると考えられ、化学療法施行の決定に有用である。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:集学的治療

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