演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

当院における過去5年間の去勢抵抗生前立腺癌に対するドセタキセル療法の治療成績

演題番号 : P57-9

[筆頭演者]
高田 将吾:1 
[共同演者]
橋本 翔:1、吉田 利之:1、山本 慎一郎:1、桜井 文紀:1、堀 祐太郎:1、大野 将:1、村田 保貴:1、吉澤 剛:1、松井 強:1、佐藤 克彦:1、持田 淳一:1、山口 健哉:1、高橋 悟:1

1:日本大学・医学部・泌尿器科

 

<背景・目的>
前立腺癌に対するドセタキセルを用いた化学療法は米国では2004年に承認されたが、本邦では2008年8月に承認された。近年は新規前立癌治療薬の出現により、去勢抵抗性前立腺癌の長期的な成績も向上してきていると思われる。当院では、臨床研究審査委員会の承認を得て、去勢抵抗生前立腺癌に対して2006年9月から低用量ドセタキセル療法の臨床研究を開始し、2008年11月より75mg/m2でのドセタキセル療法を開始し現在も継続している。そこで、これまでに当院で過去5年間にドセタキセル療法を行った症例における治療成績について解析し、その有効性と安全性について検討を行った。

<対象と方法>
内分泌療法施行後、再燃した前立腺癌で、2011年1月から2015年3月までに当院でドセタキセルを投与した症例を対象とした。レトロスペクティブにProgression free survival(PFS)、Overall survival(OS)、Adverse event (AE) などを調査した。ドセタキセルは3週もしくは4週に1回投与し、投与量は75mg/m2とし、適宜減量した。ドセタキセル導入は全例入院にて開始し、2回目の投与以降は可能な限り外来にて継続した。

<結果>
症例数は32例であり、平均年齢は72.4歳であった。ドセタキセル導入前に実施した治療は、内分泌療法32例、前立腺全摘術11例、放射線療法4例、ザイティガ投与1例であった。 ドセタキセルの平均投与回数は16.6回であり、観察期間の中央値は26.4ヶ月であった。血清PSA値が50%以上の改善がみられた症例は18例であり、PSA奏効率は56.3%であった(CR 1例、PR 17例)。PSA failure の定義を、CR症例ではnadirから50%以上の増悪、PR及びNC症例ではnadirから25%以上の増悪としたところ、PFSの中央値は7.0ヶ月,OSの中央値は29.4ヶ月であった。 また、主な有害事象としては好中球減少20例、貧血5例、血小板減少2例、全身倦怠感8例、間質性肺炎3例、嚥下障害1例、下顎骨髄炎1例を認め、ドセタキセル投与中止例は4例であった。ドセタキセル投与中に間質性肺炎を発症し、死亡した症例を2例経験した。

<結論>
去勢抵抗性前立腺癌に対するドセタキセル療法は、外来でも比較的安全に施行可能であり、症例によっては完全寛解や長期的な生存期間の延長が期待できると考えられた。しかしながら、有害事象において、間質性肺炎に関しては、致死的な転機を辿る可能性があり十分な注意が必要であると考えられた。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:化学療法

前へ戻る