演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

カバジタキセルにおけるペグフィルグラスチムの一次予防的投与の有効性と安全性

演題番号 : P57-2

[筆頭演者]
吾妻 慧一:1 
[共同演者]
杉崎 崇人:1、橋本 幸輝:1、鈴木 賢一:1、湯浅 健:2、増田 均:2、山本 真也:2、米瀬 淳二:2、濱 敏弘:1

1:公益財団法人がん研究会有明病院・薬剤部、2:公益財団法人がん研究会有明病院・泌尿器科

 

【背景】
カバジタキセルは去勢抵抗性前立腺癌に対して2014年9月に保険承認された。国内第Ⅰ相試験でGrade3以上の好中球減少は100%(44/44例)、発熱性好中球減少症(FN)は24/44(54.5%)と高頻度に発現した。また、市販後3か月の時点でFNによる死亡が5例報告され、FNに対する注意喚起が強くなされている。当院泌尿器科では日本癌治療学会のG-CSF適正使用ガイドラインに準じ、カバジタキセル投与時には一次予防的にペグフィルグラスチムを使用している。
【方法】
2014年9月から2016年2月までの18か月間にカバジタキセル療法にてペグフィルグラスチムを併用した患者12名を対象とした。方法は電子カルテを用いて対象期間内のFN、好中球減少発現状況と副作用発現状況を後方視的に調査した。
【結果】
患者背景は年齢中央値72歳(60-82歳)、ECOG PS0および1はそれぞれ4名(33.3%)、8名(66.7%)で2以上は含まれていなかった。前治療ドセタキセル投与量中央値は750mg/m2(75-1830mg/m2)であり、ドセタキセル投与時のFNの既往がある患者は2名(16.7%)であった。カバジタキセル開始用量は25mg/m2および20mg/m2がそれぞれ10名(83.3%)2名(16.7%)であった。FN発現は3名(25.0%)に見られ、3名すべてで1サイクル目に発症した。1サイクル目でGrade3およびGrade4の好中球減少はそれぞれ2名(16.7%)、8名(66.7%)に認めた。また、1サイクル目における好中球数のnadirまでの期間中央値は8日(7-9日)であった。カバジタキセル療法継続に影響するペグフィルグラスチムの有害事象発現はなかった。
【考察】
国内第Ⅰ相試験と比べると、高齢かつ、ECOG PS1の割合が高かったが、前治療ドセタキセル投与量に大きな差はなかった。患者のリスクに応じて通常量よりカバジタキセルを減量して開始した症例があったが、患者背景はFN発現率に影響を与える差はなかった。FNの発現率、好中球減少の発現率はどちらも低かった。現状のFN対策で効果が得られている可能性があると考えられた。また、FNの発現は1サイクル目に見られ、2サイクル目以降のFNの発現は現時点では認められていないことから、1サイクル目は好中球数がnadirから回復するまで慎重な経過観察が必要であり、2サイクル目以降は外来治療も可能であると考えられた。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:化学療法

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