演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

前立腺がんに対してサイバーナイフを用いた定位放射線治療(SBRT)の初期経験

演題番号 : P56-1

[筆頭演者]
稲葉 浩二:1 
[共同演者]
土田 圭祐:1、柏原 大朗:1、小林 和馬:1、原田 堅:1、梅澤 玲:1、高橋 加奈:1、村上 直也:1、伊藤 芳紀:1、井垣 浩:1、伊丹 純:1

1:国立がん研究センター中央病院・放射線治療科

 

はじめに:前立腺がんに対しての外部放射線治療では、多くの場合IMRTを用いて通常分割で80Gy程度の照射が行われる。海外では定位放射線治療(SBRT)による治療もおこなわれており、IMRTと治療成績が同等と報告されている。当院でもサイバーナイフを導入したことにより技術的に前立腺がんに対するSBRTが施行できる状況になった。本報告では当院で施行された初期成績を報告する。
対象:当院で前立腺がんに対してSBRTを施行した2名について報告する。1名はサイバーナイフの治療希望で、もう1名はIMRTでは治療期間が長いためサイバーナイフを希望された。
患者1:64歳男性、PSA値10、Gleason scoreは3+3、2本のcoreが陽性でそれぞれ数%の癌が検出された。T2cN0M0でホルモン治療なしで36.25Gy/5frのSBRTを施行した。
CTVは前立腺と精嚢基部でPTVマージンは直腸側以外は5mm、直腸側は4mmとした。ターゲットに対しては81.9% isodose lineがPTVの95%をカバーするように計画した。膀胱線量はV36.25Gyは10ccで直腸線量はV36.25Gyは1ccであった。尿道線量は平均が32.5Gyであった。
患者2:85歳男性、PSA値26.21、Gleason scoreは4+3で4本のcoreで最大のもので20%程度の癌が検出された。T2aN0M0で、ホルモン治療を8ヶ月程度施行後、36.25Gy/5frのSBRTを施行した。現在もホルモン治療継続中である。CTVは前立腺と精嚢半分までとしPTVマージンは直腸側以外は5mm、直腸側は4mmとした。ターゲットに対しては77.8% isodose lineがPTVの95%をカバーするように計画した。膀胱線量はV36.25Gyは10ccで直腸線量はV36.25Gyは5ccであった。尿道線量は平均が36.4Gyであった。
結果:
患者1:経過観察期間14カ月でPSA値も0.995と漸減中である。有害事象としてはGrade2の頻尿が急性期に発生したが軽快した。
患者2:経過観察期間7カ月でPSA値はホルモン治療中でもあるため0.015と低値安定している。有害事象としてはGrade2の直腸出血が照射後6月後に発生し保存的加療により軽快はしてきている状況である
考察:前立腺がんのSBRTのメリットはIMRTと比べて治療期間の短縮が可能になることと、より医療費がかからないことがあげられる。今後は上記メリットから対象患者が増えると予想されるが、デメリットとして1回大線量の照射になるため、正常組織(直腸、膀胱、尿道、場合によっては小腸など)へのリスクがあるため、慎重に治療をおこなう必要がある。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:放射線治療

前へ戻る