演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

低リスク筋層非浸潤性膀胱癌再発予防におけるピラルビシン短時間単回膀注療法

演題番号 : P46-5

[筆頭演者]
窪田 成寿:1 
[共同演者]
影山 進:1、花田 英紀:1、永澤 誠之:1、水流 輝彦:1、吉田 哲也:1、上仁 数義:1、成田 充弘:1、金 哲將:2、河内 明宏:1

1:滋賀医科大学・医学部・泌尿器科学講座、2:公立甲賀病院・泌尿器科

 

【目的】診療ガイドラインでは低リスク筋層非浸潤性膀胱癌に対するTURBT後の抗癌剤即時単回膀胱内注入療法が推奨されているが、抗癌剤の種類や注入時間については定まっていない。一般に抗癌剤の注入では60分以上の膀胱内保持時間とする報告が多い。しかしながら、保持時間が長くなるほど膀胱外溢流のリスクは高まり、ひとたび膀胱外溢流が起きれば、その傷害はきわめて重篤となることが報告されている。塩酸ピラルビシン(THP)では細胞内濃度上昇が短時間のうちに得られるという基礎的知見より、これまでに5~30分程度の短時間膀注がいくつか報告されてきた。今回われわれはTURBT後のTHP即時単回短時間注入療法の再発予防効果について検討した。
【対象と方法】2006年1月から2014年12月までに当院および関連施設でTURBTを施行された症例のうち、初発、単発、3cm未満、Ta、low grade、併発CISなしを満たす低リスク膀胱癌と診断された48例を対象とし、術後THP即時単回膀胱内注入群(以後THP群) 22例と後治療なし群(control群)26例の治療成績を後ろ向きに検討した。THPの投与方法は術直後にTHP 30mg+生食30mlを膀胱内注入し、15分間把持後に排液した。
【結果】両群間で年齢、性別、腫瘍径、尿細胞診、組織異型度に有意差は認めなかった。観察期間の中央値 THP群38ヶ月(4-71)、control群38ヶ月(3-96)であった。THP群で2例(9.1%)、control群で11例(42.3%)に膀胱内再発を認めた(P=0.0241)。Kaplan-Meier法による1年・2年・5年非再発率はそれぞれTHP群で95.5%・ 90.4%・90.4%、control群で88.3%・66.8%・55.8%であった(Logrank, p=0.035)。患者年齢,THP膀注の有無,腫瘍径,術前細胞診,組織異型度(WHO1973)を因子としたCox比例ハザードモデルによる多変量解析では、THP有と腫瘍径大の2つが独立した再発危険因子であった。なお全症例でTHPによる有害事象は認めなかった。
【結論】低リスク筋層非浸潤性膀胱癌に対するTURBT後のTHP即時単回膀胱内注入療法は、再発予防に有効であった。膀胱内保持時間は15分でも十分な再発予防効果を認め、有害事象も認めなかった。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:化学療法

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