演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

膀胱がん化学療法(プラチナ系抗がん剤)に伴う腎機能変化について

演題番号 : P46-2

[筆頭演者]
内藤 雅人:1,2 
[共同演者]
山本 智也:1,3、水谷 大輝:1、島本 史夫:2、三輪 芳弘:1

1:大阪大学・医学部附属病院・薬剤部、2:大阪薬科大学大学院・がんプロフェッショナルコース、3:大阪大学・大学院医学系研究科・保健学専攻

 

【目的】進行膀胱がんに対するMVAC療法は重篤な副作用が多く、代替となる化学療法が盛んに検討されている。近年、GC療法がMVAC療法と比較し同等の効果且つ忍容性が高いと報告されているが、進行膀胱がん患者の腎機能は低下しており約40%がGC療法を施行することが出来ないとも報告されている。一方、GC分割、G-CBDCA及びGN療法にて腎毒性が軽減出来るとの報告もある。そこで今回我々は当院にてGC及びGN療法を施行した患者を対象とし、化学療法前後における腎機能変化を調査することとした。

【方法】2010年4月1日-2015年3月31日において、当院にてGC及びGN療法を施行した96名において、化学療法前及び投与後21日間におけるCre、eGFR及びCCrを調査した。各々の変化量に対しては効果量(ES)を、関係性に関しては最大情報量(MIC)及びSpearman相関係数(r)とMICの差(MIC-r2)を算出した。回帰分析には分位点回帰を用いた。各種検定にはBrunner-Munzel検定及びFisher正確確率検定を用い、95%CIはBootstrap法により算出した。また、両化学療法により腎機能が最も低下するまでの期間をカプランマイヤー曲線下面積(RMST)を算出し比較した。

【結果】CCrにおけるMIC及びMIC-r2の検討から、化学療法前後においてGC療法では非線形(MIC=0.94[95%CI; 0.78-1.00], MIC-r2=0.29[95%CI; 0.11-0.47])、GN療法では線形(MIC=1.00[95%CI; 0.94-1.00], MIC-r2=0.073[95%CI; 0.012-0.17])な関係があると推察された。ESの検討から、GC療法はGN療法に比較して腎機能を悪化させた(-0.66[95%CI; -1.12--0.40] vs -0.12[95%CI; -0.70-0.29])。分位点回帰においては、GC療法では腎機能が悪化しやすい患者群が存在することが示唆された(ES; -1.12[95%CI; -1.36--0.32] vs -0.78[95%CI; -1.45--0.14])。RMSTの検討から、GN療法は腎機能低下が早期に見られた(Day4-8, RMST ratio>1.00, p<0.05)。

【考察】GC療法はGN療法に比較して腎機能を悪化させたが、その時期はGN療法よりも遅い傾向にあった。これはGC療法におけるハイドレーションが大きく関与していると推察される。また、GC療法においては腎機能が悪化しやすい患者群の存在も示唆され、治療前のアルブミン値が大きな影響を与えていると考えられた。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:化学療法

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