演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

GEM + nab-PTX療法後にconversion surgeryを施行した切除不能膵癌の2例

演題番号 : P39-3

[筆頭演者]
沖原 正章:1 
[共同演者]
千葉 斉一:1、郡司 崇裕:1、疋田 康祐:1、小澤 陽介:1、佐野 達:1、富田 晃一:1、河地 茂行:1

1:東京医科大学・八王子医療センター・消化器外科・移植外科

 

【背景】切除不能膵癌に対する化学療法として、2014年12月よりnab-paclitaxel (nab-PTX)が保険収載となり、gemcitabine (GEM) + nab-PTXは切除不能膵癌に対する新規レジメンとして注目を集めている。今回我々は切除不能膵癌に対しGEM + nab-PTXを施行し、腫瘍縮小後にconversion surgeryとして臨床的にR0切除を達成した2例を経験したので報告する。
【症例1】 78歳男性。黄疸を契機に膵頭部癌を発見された。画像上膵頭部に35mm大の病変を認め、総肝動脈・左肝動脈・胃十二指腸動脈・門脈への浸潤を認めた。右肝動脈は浸潤を受けず、腹腔動脈から直接分岐していた。腫瘍マーカーは、CEA: 2.0 ng/mL、CA19-9: 1174 U/mL、手術を検討していたが、術前精査中に単発の肝転移を認めたため化学療法の方針とし、GEM (1000mg/m2) + nab- PTX (125mg/m2)療法(3投1休)を4コース施行した。治療開始後、腫瘍は20mm大と縮小し画像上肝転移の消失、腫瘍マーカーの正常化を認めた。このため、左肝動脈合併切除・門脈合併切除再建を伴う幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した。術中迅速病理診断に転移があった肝組織を提出したが、変性が強い腺癌でviabilityはないとのことだった。しかし、術後病理組織診断はAdenocarcinoma (pDPM (+),H1,T4N1M1,StageIVb)であり、pathological CRではなかったが臨床的にR0切除を確認した。
【症例2】 71歳女性。乳癌でフォロー中にPET/CTにて膵頭部への集積を認め、膵体部癌を発見された。画像上膵体部に35mm大の病変を認め、総肝動脈・脾動脈・腹腔動脈・門脈への浸潤を認めた。総肝動脈は上腸間膜動脈より分岐していた。腫瘍マーカーは、CEA: 2.9 ng/mL、CA19-9: 6208 U/mL。#16b1リンパ節転移が疑われたため切除不能と判断し、GEM (1000mg/m2) + nab-PTX (125mg/m2)療法(3投1休)を4コース施行した。治療開始後、腫瘍は16mm大と縮小し、腫瘍マーカーの正常化を認めた。このため、術中迅速病理診断にて#16b1リンパ節の陰性を確認しつつ、膵体尾部切除+脾合併切除術を施行した。術後病理組織診断はAdnocarcinoma (T1N0M0,StageI)であり、R0切除を確認した。
【結語】切除不能膵癌に対するGEM + nab-PTX療法において、腫瘍縮小効果が高い症例でも病理組織学的に癌は遺残しており、R0切除が得られる根治を目指したconversion surgeryも選択肢の一つになり得ると考えられた。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:化学療法

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