演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

膵がん孤立性異時性肝転移に対して、集学的治療が奏功した1例

演題番号 : P39-2

[筆頭演者]
山田 恭吾:1 
[共同演者]
梅村 孝太郎:1、佐藤 健太郎:1、長谷部 達也:1、松浦 修:1、橋爪 正:1

1:一部事務組合下北医療センターむつ総合病院・外科

 

当院は下北半島の地域がん拠点病院であり、他の拠点病院までは100kmと遠距離のため、施設内の機器を活用し地域完結型治療を目指している。
今回我々は、膵がん術後に発症した孤立性肝転移に対して、集学的治療が奏功した症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
<症例>
70歳代、男性
<家族歴>
兄が大腸癌で癌死
<既往歴>
高血圧・左視床出血・気管支喘息
<現病歴>
当院内科で膵癌の診断を得て手術を勧められていたが、就業関係で2ヶ月の待機を希望された。2投1休で2コースS-1内服された。当科に紹介後、膵体尾部切除・胆摘・脾摘が行われた(T2N1M0 fStageIII)。術前と合わせて計1年間S-1を内服した。化学療法Freeとなり1年後の定期検査で腫瘍マーカーの上昇と画像上肝S4に転移を認めた。
<経過1>
1st line としてweekly GEMを12コース施行した。 画像上はやや増悪傾向と判断された。2nd lineとしてエルロチニブ塩酸塩を併用して4コース施行した。画像所見ではやや増大傾向と判断された。3rd lineとしてS-1+GEMを2コース施行したが、腫瘍マーカーの上昇、画像所見の増悪を認めた。
<経過2>
画像上は単発であり、肝切除・ラジオ波焼灼術(RFA)・レジメン変更などが治療の選択肢として提示したが、薬剤での治療を希望された。4th lineとしてGEM+ABIを施行した。4コース施行したところ、画像上は不明瞭化し、腫瘍マーカーも正常化した。しかしながら、脳出血後遺症によるしびれの増強が出現し継続は困難と考えられた。
<経過3>
画像上は単発であり、肝切除・RFA・レジメン変更・放射線照射を治療の選択肢として提示したところ、照射を選択された。呼吸同期の問題が懸念されたが、照射野が小さい為可能と判断された。3Gy x 19回で57Gyの照射が行われた。照射後は化学療法も施行せず、経過観察中である。画像上腫瘤を指摘できず、腫瘍マーカーも正常範囲で推移している。
<考察>
膵癌術後の肝転移に対しては、肝切除やRFAの報告が散見されてきている。孤立性の場合には長期予後が得られている報告もあるが、今回の症例では外科的治療に同意を得ることが出来なかった。化学療法もlate linまで施行されており、その後の治療に苦慮していたが、照射が可能と判断されて施行した。外照射も選択肢の一つになり得ると考えられた。
<結語>
今後も可能な限り、自施設内の設備を駆使して、地域住民の皆様に貢献したいと考えている。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:集学的治療

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