演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

Fulvestrantが奏功した高齢者転移性乳癌の1例

演題番号 : P3-9

[筆頭演者]
前澤 毅:1 
[共同演者]
森本 圭介:1、麻沼 和彦:1、小池 綏男:1

1:医療法人公仁会前澤病院・外科

 

症例は86歳女性。2005年左乳癌(T2N0M0)に対してBp+SNDを施行。病理組織検査にて浸潤性小葉癌, SLN(-), NG1, ER:Score3, PgR:Score1, Her2:Score2(FISH陽性) 以上より術後補助療法として残存乳房照射+Anastrozole(AI)+Trastuzumab(B法, 2年)を開始した。術後5年経過時点でCEAおよび1CTPの軽度上昇を認め全身検索するが明らかな転移・再発は認めなかったためAIの服用を継続して経過観察とした。2013年12月に施行した骨シンチ検査にてC4,Th7,L3~5に集積を認め多発骨転移と診断した。肺、肝には転移認めなかった。塩化ストロンチウム89も検討したが、本人より経過観察の希望があったので2014年1月からExemestane(25mg/day,po)+Denosumab(120mg/dody/4week,sc)に治療変更した。血清Ca値に変動は認めなかった。しかし2015年7月全身の関節痛と乳腺マーカーの急激な上昇を認め(CEA:12.2→168ng/ml、CA15-3:21.8→262U/ml、BCA225:34→170U/ml)、PET-CT検査で頭蓋、両側肩甲骨、胸骨、骨盤骨に新たな骨転移が出現し、左鎖骨上部にリンパ節転移も認められたためFulvestrant(500mg/body/4week,im)+Denosumab(120mg/dody/4week,sc)を開始した。投与開始2ヶ月から乳腺マーカーの漸減および疼痛コントロールも良好になった。2016年3月現在CEA:8.6ng/ml, CA15-3:16.3U/ml, BCA225:45U/mlと良好であり現在も治療継続中である。現治療による副作用は認められない。まとめ;ER陽性閉経後進行・再発乳癌における薬物療法は基本的にホルモン療法を継続して行われるが、ホルモン抵抗性の場合は化学療法をせざるを得ない。高齢者では化学療法による副作用などにてQOLの低下が生じやすい。本症例においてFulvestrantによる副作用は認められず良好な日常生活を送っている。Fulvestrantは化学療法に比べQOLを損なうことがなく生命予後の延長が期待できると考えられる。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:内分泌・ホルモン療法

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