演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

TS-1で7年以上の長期生存が得られている乳癌術後多臓器転移の1例

演題番号 : P3-2

[筆頭演者]
久保 秀文:1 
[共同演者]
長岡 知里:1、河岡 徹:1、宮原 誠:1、清水 良一:1

1:独立行政法人 地域医療機能推進機構 徳山中央病院

 

SELECT BC試験で遠隔転移を有する進行・再発乳癌症例に対するタキサン群に対するTS-1の非劣性が証明され,2015年度乳癌診療ガイドラインで1次療法としてのTS-1投与が推奨度Bとされた.今回,我々はTS-1単独で7年以上の長期間,QOLの維持と病勢がコントロールされている乳癌術後多臓器転移の1例を経験したので報告する.症例は66歳女性.1999年11月左乳癌にて左胸筋温存乳房切除術が施行された(Br+Ax ; T2N0M0, scirrhous carcinoma, f, ly0, v0, ER-, PgR-, HER2 0, Ki-67(不明), n0, p-stageⅡA).術後補助療法は施行されていない.2005年1月CTで多発肺転移が指摘されパクリタキセル,ゼローダ,ドセタキセル,EC療法を順次投与した.各々,一定の奏効が得られるものの,血球減少などの有害事象により継続的投与が困難であり,休薬による増悪を繰り返した.EC療法休薬後の多発肺転移増悪に対して2008年4月よりTS-1投与を開始した.100mg/body 4週投与2週休薬/setとして3set投与したところPETで肺転移病変の集積低下が認められた.以後,同量3~4set投与1~2か月休薬を継続した.肺転移に対しては軽度の増大を認めながらも呼吸器症状の発現は認めなかったが,2015年1月左前頭葉に径5cmの単発脳転移の出現を認めた.PS良好で単発であったため当院脳神経外科にて脳転移切除術が施行された.術後経過良であり術後経口摂取開始とともにTS-1を前記の投与量・スケジュールにて再開した.2016年1月現在,TS-1開始後7年9か月経過するが,全身状態良好であり(PS0),TS-1投与継続中である.PET/CTで概ねSDを維持している.本症例はアンスラサイクリン系,タキサン系薬剤ともに既治療であったがTS-1が長期間奏効している.TS-1は投与が簡便で心毒性や末梢神経障害,脱毛などの副作用が軽く高いQOLを維持できるとされるが,本症例はTS-1の長期有効性と安全性が実感できた症例である.

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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