演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

乳がんdose-denseEC療法の安全性に関する検討~薬剤師の立場から~

演題番号 : P3-1

[筆頭演者]
山本 香:1 
[共同演者]
大沢 かおり:2、重川 崇:3、近藤 友樹:3、中村 幸子:3、馬場 紀行:3

1:国家公務員共済組合連合会東京共済病院・薬剤科、2:国家公務員共済組合連合会東京共済病院・がん相談支援センター、3:国家公務員共済組合連合会東京共済病院・乳腺科

 

【背景・目的】2015年10月から当院乳腺科でdose-dense(以下dd)EC療法を開始した。そこでdd投与群(以下D群)と従来の3週毎投与群(以下S群)のデータを比較してdd療法の安全性を検討した。
【方法】
〈対象と実施時期〉2015年1月から2016年3月の期間、術前・術後化学療法を新規で始める乳がん患者の内、ddECを投与した患者と従来のECを投与した患者全例。D群は全例ペグフィルグラスチム(以下PEG)をEC投与後に一次予防的に投与し、1コース2週毎の投与を行っている。S群は1コース3週毎の投与を行い、症例によってPEGを投与している。
〈調査項目〉患者背景、投与回数、完遂人数、脱落人数、減量人数、投与延期回数、relative dose intensity(以下RDI)、緊急入院回数、発熱性好中球減少症(以下FN)をはじめとした有害事象の出現状況を電子カルテから後ろ向きに調査。
【結果】
〈患者背景〉D群8例の平均年齢は44.3歳(33歳~51歳)、Triple Negative3例、HER2-enriched2例、LuminalHER2 2例、LuminalB1例/neo-adjuvant4例、adjuvant4例の合計32コース。
S群12例の平均年齢は57.7歳(45歳~67歳)、Triple Negative7例、LuminalHER2 1例、LuminalB4例/neo-adjuvant5例、adjuvant7例の合計45コース。
〈結果〉D群では8例がすべて完遂、投与延期回数1回(3.1%)、RDI98.6%、減量と緊急入院はなし。grade3以上の有害事象がなかった。S群では完遂10例(83.3%)、脱落2例(16.7%)、減量1例(8.3%)、投与延期回数9回(20%)、RDI87.3%、緊急入院3回(6.7%)。grade4のFNが2回出現した。PEGを一次予防に7例、二次予防に3例で投与した。
【考察】本研究の結果から治療強度を高めたD群の方がRDIが良好で安全に投与ができていた。dd療法の選択で4週間早く投与が終了するので、治療と向き合う時間が短縮されて精神的な負担が軽くなると考えられる。実際嫌なことを早く済ませることができてよかったとの意見が複数あった。また投与前の生活へ復帰する時間も早くなるため今後の予定が立てやすく、平均年齢が約13歳若いD群では受け入れるメリットが大きいと考える。dd療法を完遂するために薬剤師が投与前から介入を始めて、セルフケアの必要性や緊急時の対応などきめ細かな指導を継続して行い、安全な投与に寄与していく必要性が示唆された。現在当院ではddEC療法が標準治療に変わってきており、発表時には完遂した症例がもっと増えることが予想され、最新のデータを追加して発表できると考えている。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

前へ戻る