演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

抗がん剤拭き取り調査結果に基づいた取り扱い手順変更の有用性

演題番号 : P22-7

[筆頭演者]
高橋 喜統:1 
[共同演者]
中田 いちこ:1、山口 加代子:1、高桑 直子:1、丹羽 修:1

1:金沢医科大学・病院・薬剤部

 

金沢医科大学病院(以下、当院)薬剤部は2005年より薬剤師による抗がん剤調製業務を開始し、2011年から365日すべての抗がん剤について調製している。抗がん剤調製業務は、医療従事者への抗がん剤の曝露が問題とされており、当院では、調製マニュアルに加え、2014年4月に抗がん剤調製における労働環境等に関する内規を制定した。2014年度に実施した抗がん剤拭き取り調査の結果を踏まえ、調製環境、調製器具、清掃の手順等を見直した効果について検討した。
【方法】
2014年度に実施した抗がん剤調製室内のシクロフォスファミド(以下、CPM)、ゲムシタビン(以下、GEM)、フルロウラシル(以下、5-FU)の拭き取り調査結果をもとに取り扱い手順を見直す。見直しの妥当性を、2015年度における拭き取り調査にて、各種抗がん剤の検出場所及び濃度について評価した。
【結果】
[見直した取り扱い手順]2014年度の抗がん剤拭き取り調査にて、安全キャビネット(以下、BSC)内、BSC周辺の汚染は比較的少ないことが確認されたが、エアフォイル内および床の汚染がややみられたことより、作業後のBSC内の清掃を0.03N水酸化Na液と水拭き、エタノールでの清拭各1回ずつから、水拭き2回とエタノールでの清拭1回へ変更、2週間に1回3種の抗がん剤不活化剤(2%次亜塩素酸Na液、2.5%チオ硫酸Na液、0.03N水酸化Na液)を用いた清掃の追加、BSCエアフォイル内の清掃を月1回から2週間に1回、3種の不活化剤を用いた清掃、床掃除(水拭き)を週1回から毎日実施とした。CPMなど揮発性の高い抗がん剤について、BSCからアイソレーター内で閉鎖式器具を使用した調製へ変更した。
[測定結果]取り扱い手順変更前の各薬剤の各測定場所(BSC作業面/エアフォイル/床)での検出濃度(ng/mL)は、CPM( - /0.02/0.01)、GEM(0.00/0.18/0.01)、5-FU( - /0.14/0.19)であったところ、変更後では、CPM( - / - / - )、GEM(0.07/0.00/0.01)、5-FU(0.03/ - /0.01)と汚染の低下がみられた。
【考察】
変更した取り扱い手順の変更前後で、抗がん剤調製室内の汚染の減少がみられたことより、取り扱い手順見直しの効果があったと考える。定期的な拭き取り調査の実施は、労働衛生(労働安全)の観点から必要である。抗がん剤調製室だけでなく、調剤室、点滴室、トイレや他職種および患者、患者家族に対する影響の有無の調査を今後の検討課題とする。

キーワード

臓器別:その他

手法別:医療機器・医療工学

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