演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

抗がん剤の取り扱いに関わる診療材料における不具合事例の調査

演題番号 : P22-6

[筆頭演者]
桜田 宏明:1,2 
[共同演者]
山村 益己:1、舘 知也:2、寺町 ひとみ:2

1:一宮市立市民病院・薬剤局、2:岐阜薬科大学・病院薬学研究室

 

目的
抗がん剤の取り扱いに関わる診療材料における不具合事例を調査し,それに伴う被曝状況を把握し,安全管理に努める。
方法
「抗がん薬調製マニュアル第3版」の抗がん薬調製用資材一覧表に掲載されている抗がん剤調製補助器具および携帯型ディスポーザブル注入ポンプについて,PMDA webサイト(JADER)「不具合が疑われる症例報告に関する情報」から平成16年4月1日から平成27年7月31日までの医療機器の不具合に関する報告を利用し,資材毎に医療機器の状況,患者等の有害事象の有無と有の場合は転帰について調査した。また,当院において平成26年10月1日から平成27年12月31日までに不具合が報告された診療材料情報から,同じ調査を行った。
結果
「不具合が疑われる症例報告に関する情報」から,調査期間において抗がん薬調製補助器具の不具合として35件,携帯型ディスポーザブル注入ポンプの不具合として522件の報告を確認した。調製補助器具の曝露事例として,ファシール輸液アダプタからの抗がん剤漏れが1件,ファシールプロテクタのエクスパンジョンプラグが膨らまないことが1件,シュアプラグバイアルアダプターでのアルキル化剤のゴム栓の針刺入部からの液漏れが1件あり,転帰はいずれも不明であった。ポンプでの曝露事例では,シュアーフューザーAが5件,バクスターインフューザーが6件で,転帰は全て回復であった。また,当院の不具合は,ファシール輸液アダプタでの抗がん剤漏れが2件,バクスターインフューザーのバルーン破裂が1件で,これらのうち2件は液漏れによる曝露が確認された。
考察
今回の調査から,不具合による医療従事者や患者への曝露の状況が明らかとなった。不具合には製品不良と医療従事者の取り扱い不備によるケースが混在するが,JADERでの情報からはどちらの原因によるものかまでは不明である。しかし,当院における不具合事例は全て医療従事者や患者の取り扱いに関わる不備が原因であった。この対策として,当院では取り扱い上,より安全なファシールプライミングセットへ採用を変更した。また,薬剤師と看護師相互によるインフューザーポンプの取り扱いに関する患者教育の徹底を実施することとした。その後,抗がん剤投与に関わる診療材料での不具合は起きていない。たとえ製品不良の場合でも,被曝を最小限に抑える対応が必要であり,普段から不具合情報を集積し,各病院にあった対策を講じることが重要である。

キーワード

臓器別:その他

手法別:医療機器・医療工学

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