演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

抗がん剤の曝露予防における看護師のスキルチェックの効果

演題番号 : P22-4

[筆頭演者]
中村 美希:1 
[共同演者]
柴田 美佐子:1、吉井 尚美:1、川嵜 玲子:1、富吉 直美:1、浅野 早苗:1,2、堀本 弥生:1、内堀 恵子:1

1:本永病院・看護部、2:広島大学・医師薬保健学研究科

 

【目的】看護師の抗がん剤曝露予防行動の問題点を明らかにするとともに、学習会とスキルチェックによる教育の効果を検討する。
【期間】2015年2月~10月。【対象者】抗がん剤投与に携わる当院の看護師28名。
【方法】対象者に対し、曝露予防に関する認識調査と、モデルを用いての調整後薬剤の搬送~薬剤投与終了までのスキルを「できている」「できていない」で他者評価した。認識に関する調査結果を参考に資料を作成し学習会を実施。学習会1~3週間後に、再度モデルを用いた同様のスキルチェックを実施し前後で比較した。なお、排泄物の処理、リネン類の処理については口頭で回答を得、前後で比較した。
【結果】曝露経路の認識では「薬剤準備・運搬時」「抗がん剤投与時」が高く、手袋、マスクの着用率は75%だった。一方、「排泄物の処理時」「リネン類の処理時」では暴露予防の認識は低く、予防行動の実施率は9%だった。さらに「排泄物の取り扱い時の患者への指導」では、39%が「洗浄時便器の蓋をする」知識を得ていても実施していたのは17%で、予防行動の不十分さが明らかになった。「こぼれた薬剤の処理時」は曝露経路としての認識は最も高かったが、正しい対処方法の知識とスキルを得ていた者は少なかった。勉強会の効果について、経験年数11年以上と10年以下で分けて前後で比較した結果、11年以上の勉強会後の全てのスキルチェック項目で「できている」の中央値が有意に増加した。
【考察】「薬剤準備」「投与時」「こぼれた薬剤」の暴露の認識は高く、排泄物、リネン類で認識が低いことから、一見して薬剤とわかるものは暴露が認識されやすく、何かに混入している場合には認識が低い傾向があると考える。薬剤の形状によらず暴露のリスクが存在することの教育が必要と考える。また、認識が低かった項目の背景には、当院は高齢者の在宅療養支援中心の後方支援病院で、これまで化学療法に関する学習の必要性が低く、そのため組織的な取り組みが不十分だったことがあげられる。今回実施した学習会とモデルを用いたスキルチェックは看護師の暴露予防教育に有効だったことが示された。今後は定期的に学習会とスキルチェックを行い、適切な予防行動知識とスキルの習得を組織的に支援したいと考える。

キーワード

臓器別:その他

手法別:チーム医療

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