演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

粘液型脂肪肉腫術後に多発肺転移と鑑別を要したサルコイドーシスの一例

演題番号 : P16-10

[筆頭演者]
沼本 邦彦:1 
[共同演者]
松本 俊之:1、大森 貴夫:1、時岡 孝光:1、尾崎 敏文:2

1:高知県・高知市病院企業団立高知医療センター・整形外科、2:岡山大学・大学院医歯薬学総合研究科・整形外科

 

粘液型脂肪肉腫術後に多発肺結節をきたし、肺転移と診断したが、のちにサルコイドーシスと診断された症例を経験した。
【症例】
74歳女性。左大腿後面の腫瘤を主訴に当院紹介となった。MRIで左大腿二頭筋部に境界明瞭なT1WI低信号、T2WI高信号でガドリニウムで不均一に造影される12cm大の腫瘤を認めた。生検で粘液型脂肪肉腫と診断され、広範切除術を施行した。術後1年の胸部CTで右肺S8に小結節指摘されたが増大傾向を認めていなかった。術後6年のCTで同結節影の増大と多発肺結節を認めた。肺転移と診断したが、高齢のため化学療法などの積極的な治療を希望されなかったため、経過観察を継続した。術後7年で多発肺結節影の増大とともに肺門部リンパ節腫脹および間質性変化が出現したため、肺転移以外の疾患を考慮し呼吸器内科に紹介した。気管支鏡下肺生検でサルコイドーシスが疑われた。また眼科でぶどう膜炎を指摘され、サルコイドーシスの診断となった。プレドニン30mg内服治療開始され、多発肺転移および肺門部リンパ節は縮小した。
【考察】
サルコイドーシスは原因不明の全身性・多臓器性炎症性肉芽腫性疾患で非乾酪性類上皮肉芽腫を特徴とする。肺・皮膚・心臓などに多発肉芽腫をきたし、眼のぶどう膜炎を伴うことが特徴的である。肉腫に関連したサルコイド反応も報告されており、本症例も粘液型脂肪肉腫の肺転移に関連したサルコイド反応の可能性も考えられたが、呼吸器病変に加えて眼病変も伴っていること、肺病変がステロイドの投与で縮小したことからサルコイドーシスと診断した。肉腫術後で多発肺結節をきたした場合、肺転移の診断で組織診断を行わずに化学療法を施行することも多いが、本症例のようにサルコイドーシスなど他の疾患である可能性も考慮して治療にあたるべきと考える。
【結語】
軟部肉腫などの悪性腫瘍治療後の多発肺結節であってもサルコイドーシスなど他の疾患も念頭において鑑別診断を行い、必要に応じて組織検査を行うことが重要である。

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:診断

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