演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

GATA3による免疫組織化学染色が診断に有用であった尿路上皮癌肺転移の2例

演題番号 : P16-9

[筆頭演者]
新屋 智之:1 
[共同演者]
北 俊之:1、山村 健太:1、谷 まゆ子:1、市川 由加里:1、太田 安彦:2、越田 潔:3、川島 篤弘:4、笠原 寿郎:5

1:独立行政法人国立病院機構金沢医療センター・呼吸器科、2:独立行政法人国立病院機構金沢医療センター・呼吸器外科、3:独立行政法人国立病院機構金沢医療センター・泌尿器科、4:独立行政法人国立病院機構金沢医療センター・臨床検査科、5:金沢大学・附属病院・呼吸器内科

 

【背景】浸潤癌の経過中に出現した肺病変については、原発性肺癌と転移性肺腫瘍の鑑別が必要となる。GATA3は、尿路上皮癌や乳癌で比較的特異的に発現する免疫組織化学染色マーカーとして近年注目されている。今回我々はGATA3を用いた免疫組織化学染色が診断に有用であった尿路上皮癌肺転移の2例を経験したので報告する。【症例1】79歳、男性。62歳時より膀胱癌に対して経尿道的膀胱腫瘍切除術やBCGの膀胱内注入療法が施行されていた。経過観察中に胸部~骨盤CTで右水腎症を認めたほか、右肺上葉に結節影を認めた。経気管支肺生検のHE染色標本では、尿路上皮様の均一なやや小型の異型細胞が多層化して増殖しており、角化や腺腔形成は認めず、尿路上皮癌の肺転移が疑われた。これらは以前に膀胱生検で得られた膀胱癌細胞とも極めて類似していた。肺生検標本に追加で施行した免疫染色では、CK7陽性、CK20陽性、p40陽性、NapsinA陰性、TTF-1陰性に加え、GATA3が強陽性であり、HE染色の所見とあわせて、肺病変は尿路上皮癌の肺転移と確定診断した。【症例2】71歳、男性。血尿を主訴に来院し、腹部超音波検査で膀胱腫瘍が疑われた。膀胱洗浄で尿路上皮癌を疑う異型細胞を認め、胸部~骨盤CTでは膀胱壁右側に腫瘤性病変ならびに右肺下葉に結節影を認めた。膀胱壁右側の腫瘤からの膀胱生検で膀胱癌と診断された。肺病変については気管支鏡検査で確定診断は得られなかったが、CT所見でspiculaを伴う空洞性病変であり、原発性肺癌の可能性を考慮して、診断的治療目的に胸腔鏡補助下右肺下葉切除術が施行された。右肺下葉切除標本のHE染色では、肺胞置換性の増殖は認めず、膀胱生検で認めた細胞に類似する小型の異型細胞を認めた。HE染色からは、原発性肺癌よりは尿路上皮癌の肺転移が疑われた。追加で施行した免疫染色では、CK7陽性、CK20陰性、P40陽性、NapsinA陽性、TTF-1陰性に加え、GATA3が強陽性であり、HE染色の所見とあわせて肺病変は尿路上皮癌の肺転移と確定診断した。【結語】尿路上皮癌の経過中に認められた肺病変に対して、GATA3による免疫組織化学染色を行うことは肺転移の診断に有用と考えられた。

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:診断

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