演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

アブスコパル効果と思われる治療経過を示した肺癌の1症例

演題番号 : P16-8

[筆頭演者]
久保 亜貴子:1 
[共同演者]
川中 崇:1、古谷 俊介:1、生島 仁史:1,3、原田 雅史:2

1:徳島大学・病院・放射線治療科、2:徳島大学・大学院・放射線医学分野、3:徳島大学・大学院・放射線治療学分野

 

今回我々は遠隔転移巣への緩和的放射線治療後に原発巣含む他病巣の縮小効果を認めた症例を経験したので報告する。症例は60歳台女性、主訴は右手のしびれ、右肩痛、腰痛。画像検査から肺癌、多発骨転移を疑われ近医より紹介となった。縦隔リンパ節生検組織診ではcarcinomaだがTTF-1,p40陰性、cytokeratin7/20(AE1/3)+で原発性肺癌としては典型的ではなかった。他の検査にて原発巣となる所見は見られず、肺癌cT4N3M1b stageⅣ OSS,ADR,BRAとして疼痛緩和・病的骨折および脊髄圧迫予防として胸腰椎や肩甲骨に対して緩和照射を、また多発脳転移に対しては全脳照射をそれぞれ施行した。疼痛コントロールは良好でPSも4から2へと改善をみた。評価目的のCTでは非照射部位含め複数の病巣に縮小効果を認められたた。なお、原発巣検索の過程で子宮頚部生検にて扁平上皮癌の診断あり、免疫染色では縦隔リンパ節組織と同一ではなかったため、子宮頸癌Ⅰb1として子宮をCTV(臨床標的体積)として30Gyの姑息照射も行っている。原発巣や転移巣はいずれも継時的に縮小傾向であったため化学療法の導入は見送る方針となり、照射後13カ月経過した現在まで無治療経過観察にて腫瘍の再増大や新たな遠隔転移を認めていない。化学療法や抗生剤等の使用はなく、積極的な治療としては転移巣への緩和的放射線治療のみであり、自然消退やアブスコパル効果の可能性が考えられた。

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:腫瘍免疫

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