演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

小細胞癌に形質転換したEGFR遺伝子変異陽性肺腺癌2例についての検討

演題番号 : P16-4

[筆頭演者]
飯島 岬:1 
[共同演者]
東 陽子:1、高坂 貴行:1、矢島 俊樹:1、茂木 晃:1、桑野 博行:1

1:群馬大学・大学院医学系研究科・病態総合外科学

 

【症例1】30歳代男性.左肺腺癌に対し術前化学療法(CBDCA+DTX)2コース施行後左下葉切除施行.中分化肺腺癌pT2N1M0 StageIIAと診断されたがPLC(+)であったため術後局所温熱療法,CDDP胸腔内投与およびUFT内服を行った.その後,両肺多発結節を認め再発と判断された.EGFR遺伝子変異陽性(L858R)であったためgefitinib開始,1ヶ月後のCTでCRとなったが,内服開始後6年で右肺中葉に小結節が出現.緩徐に増大するも他部位に明らかな転移を認めなかったため,肺切除術を施行した.病理診断では小細胞癌と判断されたが,遺伝子変異解析で原発巣と同様の変異を認めたため,形質転換と判断した.術直後はgefitinib再開となったが,縦隔リンパ節再発を来し,根治的照射60Gy/6weeks及びCDDP+VP-16投与を4コース施行しCRとなり,以後3年6ヶ月間無再発経過観察中である.【症例2】60歳代女性.右肺腺癌に対し右下葉部分切除術施行.pT2a,NxM1aPL2D2,StageIV.術中胸膜播種と診断されたが遺伝子検索を含む精査目的に原発巣切除を行った.術後CDDP胸腔内投与およびCBDCA+PEM+Bev施行.術後3ヶ月でCEA上昇を認め再発と判断.EGFR遺伝子変異陽性(exon19-del)のため、gefitinib開始となった.術後1年で脳転移を認め定位照射36Gy施行,6ヶ月後,多発脳転移を認め全脳照射を行うとともにDTXへ移行.更に5ヶ月後,胸水貯留,胸膜病変出現したため胸膜生検施行.病理診断で小細胞癌と判断されたが遺伝子変異解析にて原発巣と同様の変異を認め形質転換と判断した.CDDP+CPT-11へレジメン変更となり4コース施行するも播種の増大を認め,AMR導入,副作用のため中止となり以後経過観察となり,原病死した.【考察】EGFR遺伝子変異のある非小細胞肺癌に対するEGFR-TKIの治療効果は既に示され,肺癌治療における代表的な治療戦略となっている.EGFR-TKI治療の耐性獲得機序として,T790M変異,Met遺伝子増幅などが代表的であるが,近年小細胞癌への形質転換による耐性化が報告されてきており,re-biopsyが推奨される根拠となっている.本検討では2例ともに原発で肺腺癌,耐性化病変で小細胞癌の組織学的形態をとるものの共通するEGFR遺伝子変異を有しており形質転換と考えられた. 小細胞癌への形質転換によって耐性を獲得したEGFR遺伝子変異陽性肺腺癌の2例について文献的考察を踏まえ報告する.

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:分子標的治療

前へ戻る