演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

後縦隔に発生し、診断に苦慮し、進行が早かった、稀な傍神経節腫の1例

演題番号 : P16-2

[筆頭演者]
足立 靖:1 
[共同演者]
見田 裕章:1、檜森 亮吾:1、青木 敬則:1、菊地 剛史:1、秋野 公臣:1、中村 正弘:1、吉田 幸成:1、石井 良文:2、加藤 康夫:1、遠藤 高夫:1

1:社会医療法人康和会札幌しらかば台病院・消化器科、2:社会医療法人康和会札幌しらかば台病院・病理

 

はじめに:後縦隔には神経原生腫瘍が多いが、成人の場合良性であることが多い。今回、診断に苦慮し、進行が早かった、稀な後縦隔腫瘍の1例を経験した。病理解剖により、悪性の傍神経節腫(paraganglioma)との最終診断となった。
症例:50歳代、男性。主訴:背部痛。現病歴:8か月前から背部痛が出現し、6か月前には下肢のしびれや歩行障害を認めるようになった。その後近医整形外科を受診し、縦隔腫瘍の胸椎浸潤による脊髄圧迫症候群と診断された。脊髄圧迫軽減のため前医整形外科に紹介となり、椎弓切除ならびに後方固定術が施行された。また原発巣の診断のため縦隔腫瘍に対して超音波気管支鏡ガイド下針生検が施行された。病理組織学的所見では上皮様、紡錘形の腫瘍細胞が敷石状、胞巣状に増殖しているのを認めた。免疫染色ではKIT陽性であったこと等からgastrointestinal stromal tumor (GIST)と診断され、CT画像所見などから食道が原発であると推測された。胸椎浸潤による疼痛を緩和する目的で放射線治療が施行された。その後化学療法が開始され原発巣の縮小を認めたが、多発肺転移と胸水の増加により全身状態が悪化し5ヶ月後に永眠された。病理解剖では原発巣は肉芽組織に置換されていたが、肺転移巣を免疫組織学的に再評価したところ、synaptophysinやNSEなどの神経原性マーカーが陽性となり、退形成性の強い傍神経節腫と診断された。
考察:縦隔に発生する傍神経節腫、また組織学的に退形成性の強い傍神経節腫は比較的稀と考えられ、文献的考察を加えて報告する。

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:診断

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