演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

口腔扁平上皮癌におけるGGTファミリーの発現とその意義

演題番号 : P1-6

[筆頭演者]
嶋根 哲:1,2 
[共同演者]
松村 富穂:3、相澤 仁志:1、近藤 英司:1、鎌田 孝広:1、田中 宏和:2、山田 慎一:1、李 頴輝:1、栗田 浩:1

1:信州大学・医学部・歯科口腔外科学講座、2:社会医療法人財団慈泉会相澤病院、3:信州大学・医学部・大学院・分子腫瘍学講座

 

背景:γ-glutamyltranspeptidase (GGT)は細胞膜上に存在しアミノ酸代謝でグルタチオン生合成に重要な酵素群である。GGT活性の活性を可視化する光機能性プローブが開発されておりこれまでのわれわれの臨床研究等で、口腔がんにおいてGGTの活性が高まっていること確認された。これらのGGT活性の増強は口腔がん以外の多くのがんでも報告されており、GGTはがん進展等で重要な働きをしていると指摘されている。GGTは酵素群でありGGTファミリーを形成している。GGTのisotypeは多数あり、酵素活性がないisotypeも存在していることが知られている。
目的:そこで今回、口腔癌組織で増強されているGGTisotypeを検討した。方法:口腔扁平上皮癌組織は、本研究参加に同意が得られた11人の口腔扁平上皮癌切除患者から採取した。コントロールとする正常組織は、他の口腔疾患の治療に際して同意の得られたボランティア(n=10)から提供を受けた。根治的腫瘍切除後の手術標本においてGGT活性を蛍光プローブで確認した後に、活性発現部位から切片を作成しGGT1, GGT2, GGT4, GGT7, GGTL4とKi67抗体を用いて免疫組織学的手法により検討を行った。免疫組織学的所見はPC 顕微鏡システムを使用し病理医が分析し陽性率をカウントした。発現状況をMann Whitney検定により比較検討した。
結果:GGT4とGGTL4はKi67と共在し正常口腔粘膜組織では傍基底層に発現し、口腔扁平上皮癌では腫瘍全体に発現していた。GGT7は正常組織では顆粒層と角化層に発現し、口腔扁平上皮癌では癌真珠に発現していた。GGT1は両者に共通して低発現であった。GGT2は両者に共通して高発現であった。GGT4, GGTL4とGGT7の発現状況に関して、口腔扁平上皮癌と正常上皮の間で有意差を認めた(Mann Whitney検定, p<0.01)。
結論:細胞分裂が盛んな部位でGGT4とGGTL4発現が増強され、細胞活性が低い部位ではGGT7が発現していた。GGTファミリーはisotypeによって同じ組織内でも異なる部位で発現しており異なる役割をしている可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:口腔

手法別:トランスレーショナルリサーチ

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