演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

口腔Tis癌の病理診断精度を標準化するためのKi-67, CK13, CK17免疫染色の判定基準

演題番号 : P1-4

[筆頭演者]
柳生 貴裕:1 
[共同演者]
青木 久美子:1、山川 延宏:1、上田 順宏:1、上山 善弘:1、今田 光彦:1、桐田 忠昭:1

1:奈良県立医科大学・口腔外科学講座

 

【目的】「口腔癌取り扱い規約」では,Tis癌の病理診断にKi-67,CK13,CK17免疫染色が有用であると紹介されている.しかし,具体的な判定基準は示されておらず,免疫染色の判定,ひいてはTis癌の病理診断に診断者間格差が生じている可能性がある. そこで,Ki-67,CK13,CK17免疫染色を3区分の判定基準により分類し,評価者間の一致度, 診断精度への影響を調べることで,我々の提案する判定基準の妥当性・有用性について検証した.
【対象・方法】浸潤性扁平上皮癌以外の口腔粘膜からの切除標本124例を対象に,病理専門医4人が標本の評価を行った. Tis癌の診断は規約に準じ形態学的に行った. 免疫染色は下記の基準で判定し,評価者間一致度を検証するためカッパ統計量を求めた. さらに,その有用性をロジスティック回帰モデルにて解析した.
「判定基準」 CK13(0:発現低下なし,1:境界域,2:発現消失),CK17(0:発現なし,1:境界域,2:発現あり),Ki-67(0:過剰発現なし,1:境界域,2:過剰発現).
【結果】Tis癌は52例であり,Ki-67,CK13,CK17免疫染色のカッパ統計量はそれぞれ0.78,0.83,0.79であった.多変量解析にてKi-67(オッズ比: 2.24,95%信頼区間:1.30-3.85、P=0.003),CK13(オッズ比: 2.84,95%信頼区間:1.45-5.56,P=0.002)がTis癌の独立した予測因子であった.CK17は有意な因子ではなかった(オッズ比: 1.36,95%信頼区間:0.72-5.05,P=0.33).
【結論】我々の提案する 3区分の判定基準は、優れた評価者間一致度を示した。さらに3区分の判定基準により判定されたKi-67、CK13免疫染色は、Tis癌の病理診断における独立した予測因子であり、診断精度の向上に寄与するものであった。Tis癌の病理診断精度を標準化するためには、免疫染色の判定基準の策定が急務であり、我々の判定基準はその候補になりうると考えられた。

キーワード

臓器別:口腔

手法別:診断

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