演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

切除+植皮を行った舌癌症例の予後 ―第2報―

演題番号 : P1-1

[筆頭演者]
八木原 一博:1 
[共同演者]
石井 純一:1、桂野 美貴:1、土田 絵梨:1、岡村 武志:1、原口 美穂子:1、石川 文隆:2、柳下 寿郎:2、出雲 俊之:3、岡部 貞夫:4

1:埼玉県立がんセンター・口腔外科、2:埼玉県立がんセンター・病理診断科、3:東京医科歯科大学・大学院医歯学総合研究科・口腔病態診断科学分野、4:日本歯科大学・附属病院

 

【目的】3cmを超える表在性の舌癌を中心に、当科では一期縫縮より瘢痕拘縮が少ない植皮を適応している。また、植皮は一期縫縮に比して、切除断端の位置関係がより明視化できる。昨年、第53回本会では舌部分切除+植皮症例の粘膜切除断端について、口腔癌取扱い規約(第1版)に則って異型上皮の有無を評価し、癌再発との関係を検討した。今回、粘膜断端を前方、後方、舌背側、口底側の4亜型に分け、異型上皮の有無による再発との関係を再検討した。
【対象・方法】2000年4月~2010年3月までに埼玉県立がんセンター口腔外科で加療した舌扁平上皮癌一次症例のうち、根治療法症例は274例であった。このうち舌部分切除+植皮を適応した症例は47例であり、臨床発育様式は表在型 35例、外向型 5例、内向型 7例、病理組織学的診断(WHO分類)はTis;6例、Ⅰ;24例、Ⅱ;17例であった。
これらの粘膜切除断端を前方、後方、舌背側、口底側に分類し、異型上皮としてOED(口腔上皮性異形成)、OIN(口腔上皮内腫瘍)の有無を確認した。また、再発部位を粘膜断端と深部再発に分類し、とくに粘膜断端再発症例についてOED、OINとの関係を評価した。
【結果】植皮は全例生着し、癌の再発は11例(再発率23.4%)であり、粘膜断端再発は6例(全例表在型)、深部再発は5例であった。
粘膜断端4亜部位における異型上皮と再発との関係は、前方断端で異型上皮を17例(OED 16例、OIN 1例)に認めOED 1例(6%)が再発した。後方で異型上皮を14例(OED 12例、OIN 2例)に認めOIN 1例(7%)が再発した。舌背側で異型上皮を11例(OED 10例、OIN 1例)に認めOED 2例(18%)が再発した。口底側で異型上皮を29例(OED 27例、OIN 2例)に認めOED、OINの各1例(3%)が再発した。粘膜断端の異型上皮からの再発は6~18%で口底側に多く、6例中5例は異型上皮を認めた亜部位の同部位から再発していたが、口底側断端でOEDを認めた1例は舌背側、後方から再発がみられた。
【結語】植皮症例の粘膜切除断端は口底側断端に異型上皮が多く、ヨード染色を駆使して慎重に切除範囲を決定したい。また、切除断端の一部に異型上皮を認めた症例では、切除断端よりさらに外側近傍に異型上皮が存在する可能性があり、切除断端の全周にわたる長期経過観察が必要である。

キーワード

臓器別:口腔

手法別:病理

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