演題抄録

ミニシンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

大腸癌腹膜播種に対する治療成績: 播種巣切除の予後への影響

演題番号 : MS8-5

[筆頭演者]
山口 悟:1 
[共同演者]
志田 陽介:1、井原 啓佑:1、横山 悠:1、尾形 英生:1、勝又 大輔:1、伊藤 淳:1、中島 政信:1、佐々木 欣郎:1、土岡 丘:1、加藤 広行:1

1:獨協医科大学・第一外科学教室

 

【はじめに】腹膜播種性転移を伴う大腸癌の予後は不良であるが、なかには集学的治療により長期生存が得られる症例もある。特に近年、進行再発大腸癌に対する化学療法の進歩、また分子標的薬剤の登場によって、生存期間の延長がみられている。我々は、従来から切除不能大腸癌に対しても積極的に原発巣を切除しその後に化学療法を施行しており、今回その治療成績について検討した。
【対象と方法】2000年1月から2015年12月までに腹膜播種を伴う初発大腸癌に対し当科にて治療を行なった60例を対象とした。治療方針の原則としては可能であれば原発巣切除+播種巣切除を行ない、術後早期に化学療法を開始した。
【結果】年齢中央値68(35-87)歳、男性26例:女性34例であった。観察期間中央値は300日(26-2576)。腫瘍局在に関しては右側大腸癌28例、左側大腸癌30例。腹膜播種の程度はP1:30例、P2:11例、P3:19例。腹膜播種以外の遠隔転移を有するものが34例、有さないものが26例。組織型は分化型腺癌が36例、低分化や粘液癌が19例。手術により原発巣切除を行なったものが47例、原発巣非切除となったものが13例。47例中18例で播種巣も切除しCurBであった。化学療法は40例に施行し、20例で未施行であった。
背景因子別の予後を検討すると、生存期間中央値は右側大腸癌458日:左側大腸癌512日。病理組織型別では分化型593日:低分化/粘液癌439日(p=0.01)。腹膜播種の程度ではP1/2:593日、P3:350日(p=0.02)。腹膜播種以外の遠隔転移なし559日:遠隔転移あり349日であった。治療因子別に検討を加えると、原発巣切除の有無別では、原発巣切除群559日:原発巣非切除群439日。根治度別ではCurB779日:CurC350日であった(p=0.02)。化学療法施行群では559日:未施行群では220日。多変量解析では組織型とCurBが独立した予後因子として抽出された。
【まとめ】腹膜播種を伴う大腸癌において、原発巣切除+播種巣切除は有効である可能性がある。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:集学的治療

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