演題抄録

ミニシンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

乳癌再発症例におけるFulvestrantの治療効果とIndoleamine 2,3-dioxygenaseの発現

演題番号 : MS63-5

[筆頭演者]
櫻井 健一:1,2 
[共同演者]
藤崎 滋:2、安達 慶太:1、鈴木 周平:1,2、増尾 有紀:1、原 由起子:1,2、平野 智寛:1、榎本 克久:1、富田 凉一:2、権田 憲士:3

1:日本大学・医学部・外科学系 乳腺内分泌外科学分野、2:医療法人社団藤崎病院・外科、3:埼玉医科大学・国際医療センタ-・消化器腫瘍科

 

【背景】内分泌受容体陽性乳癌の術後補助療法にはAromatase inhibitor (AI)剤が広く用いられている.これらの症例が転移・再発して生命の危機がない場合、他の内分泌療法剤が投与される。
【目的】AI剤耐性の転移・再発乳癌症例に対してFulvestrantを投与した症例についてindoleamine 2,3-dioxygenase(IDO)の発現を検討し、治療効果の予測が可能であるか検討することを目的とした。
【対象】過去12年間に手術を行った初発乳癌症例のうち、転移・再発を認めた後life-threateningでなく、予後の明らかな内分泌受容体陽性かつHER-2陰性の閉経後乳癌34症例を対象とした.骨転移、胸膜転移、脳転移症例は除外した.
【方法】転移・再発が認められた時点で採血を行った.得られた血漿について、HPLCを用いてTriptophan(Trp)とKynurenine(Kyn)を測定し、Trp/Kyn ratio からIDOのactivityを測定した.また、治療中のIDOのactivityを経時的に評価した.統計学的検定には多変量分散分析法を用い、p<0.05を有意差ありと判定した。
【結果】対象症例の全例が女性.全例が術後の補助内分泌療法としてLetrozolを投与されていた.年齢は 49歳から89歳までで平均67.4歳であった.初診時の臨床病期はStage I: 3例、StageII:22例、StageIII:9例.転移・再発の部位は肺:8例、肝4例、リンパ節:26例、皮膚:7例であった(重複あり).観察期間の中央値は21.6ヶ月であった.転移・再発が判明した時点よりFulvestrant (500mg/28day)が投与されていた.Fulvestrantの奏功率は32.4%(11/34)であり、clinical benefit rateは70.6%(24/34)であった.肺や肝臓などの遠隔転移症例は局所再発群に比べて再発時のTrp/Kyn ratioが有意に低かった.またFulvestrant奏功群は非奏功群に比べて治療中のTrp/Kyn ratioが有意に高かった.ホルモン療法施行中に病勢がコントロールできている症例はTrp/Kyn ratioが増加した.
【結語】内分泌治療中の効果判定にIDOのactivityを測定することは治療効果と相関したが、再発時点で治療効果を予測する因子とはならなかった。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:腫瘍免疫

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