演題抄録

ミニシンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

乳癌患者における血清中IL-18濃度の予後における検討

演題番号 : MS63-4

[筆頭演者]
権田 憲士:1 
[共同演者]
柴田 昌彦:1,2,3、大竹 徹:3、松本 佳子:3、立花 和之進:3、阿部 宣子:3、志村 龍男:2,3、櫻井 健一:4、竹之下 誠一:3

1:埼玉医科大学・国際医療センタ-・消化器病センター消化器腫瘍科、2:福島県立医科大学・医学部・腫瘍生体エレクトロニクス学講座、3:福島県立医科大学・医学部・器官制御外科学、4:日本大学・医学部・外科学

 

Interleukin (IL)-18は、細胞性免疫能や炎症反応を誘導するサイトカインと推察されており、悪性腫瘍においてIL-18濃度が高値であることが知られている。また、乳癌では健常人よりも乳癌患者で血清中IL-18濃度が高値であり、非転移性乳癌患者よりも転移性乳癌患者で血清中IL-18濃度が高値であることが報告されている。今回、IL18が乳癌患者の免疫抑制細胞や予後と如何なる関連を示すかについて検討した。対象は健常成人女性10人と術前未治療乳癌患者75例である。その内訳はStageⅠ8例、StageⅡ30例、StageⅢ9例、StageⅣ28例であった。末梢血を採取し分離された血清中のIL-18濃度をELISAで測定した。血清中IL-18濃度は健常成人女性に比して乳癌患者全体で高値を示した。血清中IL-18濃度はStageIV症例では健常成人女性に比して有意に高値であり(p<0.05)、その他のStageⅠ、StageⅡ、StageⅢ症例に比べても高値であった。乳癌患者の血清中IL-18濃度とリンパ球幼若化能(Stimulation index)は有意に負の相関(r=-0.48,p<0.05)を示し、骨髄由来免疫抑制細胞(MDSC :Myeloid derived suppressor cells)とは有意に正の相関を示した(r=0.47, p<0.05)。予後の検討にはKaplan-Meier 法を用いた。IL-18値、MDSC値を2群に分類し、それぞれ40ng/ml、1(%PBMC)値をcutoff値とした。StageⅣ乳癌患者の全生存期間(5年生存率)についてはIL-18高値群が低値群に対して有意に予後不良であり(p<0.05)、MDSC高値群が低値群に対して有意に予後不良であった(p<0.05)。IL-18高値群、MDSC高値群におけるStage別の乳癌患者の全生存期間(5年生存率)についてはStageⅣがStageⅠ、Ⅱ、Ⅲのそれぞれに対して有意に予後不良であった(p<0.05)。IL-18は乳癌患者で上昇し、MDSCといった免疫抑制性細胞の誘導にも関わり免疫抑制機構がさらに増強すると推測される。また、血清中IL-18濃度は乳癌患者の予後因子になりうる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:バイオマーカー

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