演題抄録

ミニシンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

CD8+ T細胞上でのCD27とPD-1の発現が癌患者の予後と関与している

演題番号 : MS62-3

[筆頭演者]
赤木 純児:1 
[共同演者]
村野 武志:1、小森 宏之:1、馬場 秀夫:2

1:玉名地域保険医療センター・外科、2:熊本大学・医学部附属病院・消化器外科

 

CD27はT細胞上に発現するco-stimulatory分子であり、そのリガンドであるCD70との結合により、T細胞を活性化したり抑制したりすることができる。CD8+ T細胞は、通常CD27陽性のearly phase(CD27+CD8+CD57- T cells、以下CD27+ T cells)から、intermediate phase(CD27+CD8+CD57+ T cells)を経て、CD27陰性のeffector phase (CD27-CD8+CD57+ T cells、以下CD27- T cells)に分化する。今回、我々は、低容量化学療法を施行した消化器癌131例で、CD8+ T細胞におけるCD27/CD57/PD-1の発現を測定し、予後との関連について解析した。PR症例が30例、SD症例が41例、PD症例が59例で、奏効率22.9%, 臨床的有効率54.2%であった。多変量解析では、CD27 ratio (CD27- T cells/CD27+ T cells) が独立予後予測因子であった (HR=0.352 95%CI 0.137~0.904 p=0.03)。ROC曲線で、CD27 ratioのcut off値は1.6で、CD27 ratio高値群は低値群に比して有意に予後良好であった(log rank p<0.0001)。また、CD27+ T ratioは、PD-1(+)intermediate T細胞(PD-1(+)CD27+CD8+CD57+ T cells)と強い負の相関を示し(相関係数 -0.510, p=0.008 Spearman)、PD-1(-)effector T細胞(PD-1(-)CD27-CD8+CD57+ T cells)と強い正の相関を示した(相関係数 0.571, p<0.0001 Spearman)。さらに、CD27 ratio高値群は、低値群に比して、PD-1(+)intermediate T細胞が有意に低値で、逆にPD-1(+)effector T細胞は有意に減少しPD-1(-) effector T細胞が有意に増加していた。これらの結果は、CD27 ratioはCD8+ T細胞のearly phaseからintermediate phaseを経てeffector phaseへの分化の進行状況を反映しており、このCD27 ratioとCD8+ T細胞の分化過程でのPD-1の発現が予後に深く関与することを示唆している。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:腫瘍免疫

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