演題抄録

ミニシンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

BRAF/PIK3CA遺伝子変異と原発部位の関連―愛知大腸がん遺伝子プロファイル研究第2報―

演題番号 : MS57-4

[筆頭演者]
神谷 忠宏:1 
[共同演者]
谷口 浩也:2、上原 圭介:1、中山 裕史:4、中山 吾郎:5、高橋 卓嗣:9、中野 祐往:10、松岡 宏:13、宇都宮 節夫:8、坂本 英至:11、森 義徳:12、小森 康司:3、田近 正洋:6、室 圭:2、谷田部 恭:7

1:名古屋大学・医学部附属病院・腫瘍外科、2:愛知県がんセンター中央病院・薬物療法部、3:愛知県がんセンター中央病院・消化器外科部、4:独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター・外科、5:名古屋大学・医学部附属病院・消化器外科、6:愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部、7:愛知県がんセンター中央病院・遺伝子病理診断部、8:JA愛知厚生連海南病院・腫瘍内科、9:公立陶生病院・外科、10:名古屋第一赤十字病院・化学療法内科、11:名古屋第二赤十字病院・一般消化器外科、12:名古屋市立大学・病院・消化器内科、13:藤田保健衛生大学・病院・下部消化管外科

 

【背景】大腸がんでは、RAS遺伝子変異だけでなくNon-V600E変異を含むBRAF遺伝子変異、PIK3CA遺伝子変異の有無が治療選択に影響を与えうることが報告されている。また、原発部位が右側結腸か左側結腸・直腸かによって予後や抗がん剤治療の効果が異なる可能性が注目されている。【方法】2014年8月より愛知県内のがん診療連携拠点病院を中心とした14施設の腫瘍組織検体を愛知県がんセンター中央病院に送付、同院にて遺伝子変異検査を実施し、その結果を速やかに各施設に報告する前向き観察研究を実施している。検査対象遺伝子は2015年5月までKRAS/NRAS/BRAF(V600E)/PIK3CA以降はKRAS/NRAS/BRAF (Non-V600E含む)とし、検査法はPCR-rSSO法(Luminex®法)で実施している。【結果】2016年3月末現在545検体の遺伝子変異検査が行われ、うちRAS野生型313例(57%)であった。RAS野生型症例の患者背景は年齢中央値(範囲)65(30-90)歳、男/女 60%/40%、臨床病期 I-III/IV 15%/85%、原発部位 右側結腸/左側結腸/直腸 23%/30%/47%であった。RAS野生型における各遺伝子変異割合はBRAF V600E変異10.1%、BRAF Non-V600E変異 4.7%、PIK3CA変異5.9%であった。また、各遺伝子変異は相互排他的であった。RAS野生型のうちBRAF/PIK3CA変異型とBRAF/PIK3CA野生型との患者背景を比較したところ、BRAF/PIK3CA変異例で女性(P=0.0029)、右側結腸原発(P<0.0001)、腹膜播種(P=0.0016)が有意に多く、肝転移(P=0.0041)は変異例で少ない傾向であった。RAS野生型大腸がんにおけるBRAF V600E/ BRAF Non-V600E/PIK3CA遺伝子変異割合は右側結腸原発31.7%/8.1%/19.2%、左側結腸・結腸4.6%/2.5%/3.6%と、原発部位による遺伝子変異頻度の差を認めた。【結論】右側結腸原発の大腸がんはRAS野生型であっても高率にBRAFまたはPIK3CA変異を有していた。原発部位が抗EGFR抗体の適応などの治療選択に影響を与える可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:バイオマーカー

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