演題抄録

ミニシンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

Globulin to albumin ratio (GAR)と大腸癌患者の予後との関連についての検討

演題番号 : MS56-5

[筆頭演者]
石塚 満:1 
[共同演者]
永田 仁:1、高木 和俊:1、岩崎 喜実:1、蜂谷 裕之:1、渋谷 紀介:1、青木 琢:1、窪田 敬一:1

1:獨協医科大学・第二外科

 

【背景】担癌患者では、癌-宿主の相互関係による全身炎症性反応の結果、血清アルブミン値の低下と免疫グロブリン産生亢進に伴う高グロブリン血症が観察される。
【目的】大腸癌患者を対象に全身炎症性反応に基づく新規バイオマーカーとして術前Globulin to albumin ratio (GAR)と予後との関連を検討した。
【方法】2006年6月から2016年3月までの間に、当科にて予定手術を施行した大腸癌患者941例を対象とした。
GARを含めた連続変数である術前因子はReceiver operating characteristic (ROC) curveを用いてcut-off値の設定を行い、患者を二群間に分け、予後(overall survival; OS)との関連はCox比例ハザードモデルを用いた単、多変量解析を用いて検討し、生存曲線解析も行った。
【成績】単変量解析の結果、13の術前臨床背景因子中8因子で予後との関連を認め、これらを用いた多変量解析の結果、GAR (>0.83/<0.83) (hazard ratio, 2.883; 95% C.I., 2.020 - 4.15; P < 0.001)は他の3因子、carcinoembryonic antigen (CEA) (>8.7/<8.7, ng/ml) (hazard ratio, 2.319; 95% C.I., 1.569 - 3.428; P < 0.001)、carbohydrate antigen 19-9 (CA19-9) (>18.5/<18.5, U/ml) (hazard ratio, 1.727; 95% C.I., 1.178 - 2.532; P = 0.005)、neutrophil to lymphocyte ratio (NLR) (>2.9/<2.9) (hazard ratio, 2.132; 95% C.I., 1.454 - 3.126; P < 0.001)と同様にoverall survival (OS)に強く関連した因子として選出されたがarea under the ROC の結果ではGAR(0.711)>CEA(0.698)>CA19-9 (0.676)>NLR(0.635)と多変量解析で選出された因子のなかではGARが最も強い予後との相関を認めた。
Kaplan-Meier法を用いて生存曲線を描きlog-rank testにて検討をおこなったところ、GAR高値群(>0.83)はCAR低値群(<0.83)に比べてOSが有意に不良であった(P < 0.001)。
【結論】GAR高値は大腸癌患者のOS不良と強い相関をもつ簡便な因子であった。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:バイオマーカー

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