演題抄録

ミニシンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

大腸癌における手術前後のp53血清抗体値変移と遺伝子変異による再発予後の予測

演題番号 : MS56-4

[筆頭演者]
里吉 哲太:1 
[共同演者]
塩澤 学:1、樋口 晃生:1、稲垣 大輔:1、風間 慶祐:1、渥美 陽介:1、青山 徹:1、村川 正明:1、森永 聡一郎:1

1:地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター・大腸外科

 

【目的】血清p53抗体値が大腸癌で陽性になる確率は20-30%と過去に報告されている. 一方で, 血清p53抗体の長期的な測定が大腸癌の予後にどのように反映するか詳細に解析した報告は乏しい. 今回われわれは, 大腸癌の手術前後で血清p53抗体値を継時的に測定しその臨床的意義を明らかにし, さらにp53遺伝子変異との関連を検討した.
【方法】2008年11月から2010年8月の間に原発性大腸癌の手術を245名に施行した. その内, 手術前後に血清p53抗体を測定した患者209名について, 血清p53抗体値が上昇(A群), 低下しているが陽性のまま(B群), 低下し陰性化(C群), 最初から陰性(D群)の4群に分類し術後再発の危険率と5年生存率を解析した. また, 病理検体のp53遺伝子変移を調べた.
【成績】術前p53抗体が経過中陽性になったものは69名であった. その内, A群は14名, B群は28名, C群は27名であった. 術後5年間の再発率はA群85.7%, B群32.1%, C群7.4%, D群15.7%であった. A, B, C, D各郡の5年生存率は それぞれ41%, 68%, 92%, 91%であった(p<0.0001). 一方で, p53遺伝子変異率は全体で49.3%で血清p53抗体陽性群では59.4%であった.
【結論】血清p53抗体値が陽性の大腸癌患者にとって術前後の血清p53抗体値の上昇は再発の高リスク群であり, 陰性化は再発低リスク群であることが示された. 同様に, 5年生存率においても術後血清p53抗体値の上昇は予後不良を陰性化は予後良好を示唆することが示された. 血清p53抗体値を術前と術後で継時的に比較することにより, 大腸癌の再発を予測し, 長期予後の参考になるという臨床的意義があった. さらにp53の遺伝子変異との関連を検討し, 若干の考察を加えて報告する.

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:診断

前へ戻る