演題抄録

ミニシンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

大腸癌治癒切除症例での併存疾患・年齢と予後・補助療法との関係

演題番号 : MS56-1

[筆頭演者]
山野 智基:1 
[共同演者]
馬場谷 彰仁:1、浜中 美千子:1、吉村 美衣:1、塚本 潔:1、野田 雅史:1、松原 長秀:1、山内 慎一:2、冨田 尚裕:1、杉原 健一:3,4

1:兵庫医科大学・下部消化管外科、2:東京医科歯科大学・大学院・消化管外科、3:光仁会第一病院、4:東京医科歯科大学

 

高齢化に伴って大腸癌患者は増加しており、今後団塊の世代が高齢化世代となることから高齢者大腸癌患者に対する治療法の検討は急務である。高齢者は併存疾患が多く、治療法の選択に迷うことが多い。そこで今回大腸癌フォローアップ研究会の登録症例で、予後・術前後の補助化学療法の有無と年齢・併存疾患の評価法であるCharlson score (CS)との関係を検討した。2004年~2006年に研究会参加施設で大腸癌治癒切除術を行い、併存疾患が評価可能であった5145例について検討を行った。65歳以上は57%、75歳以上は22%、80歳以上は10%であり年齢層によって病期に有意差が見られ(p<0.0001)、80歳以上の後期高齢者ではStageⅠ、StageⅢbが少なく、StageⅡが多かった。全生存(OS; Overall survival)は全ての病期で高齢者ほど不良であったのに比べ、疾患特異的生存(DSS; Disease specific survival)はStageⅢbを除き年齢層で有意差が無かった。年齢層が高くなるとCSは高くなり(p<0.0001)、加齢と共に併存疾患が多くなることが確認出来た。CSは前期高齢者ではStageⅠ(p=0.0003)、Ⅱ(p<0.0001)、Ⅲa(p=0.001)、後期高齢者ではStageⅠ(p<0.0001)、Ⅱ(p=0.0003)でOSと有意に相関していたものの、DSSとは相関が見られなかった。一方で併存疾患が無くても(CS=0)、各病期で年齢が高くなるにつれてOS不良となっていた (StageⅠ;p<0.0001、StageⅡ;p<0.0001、StageⅢa ;p<0.0001、StageⅢb ;p=0.0002)。またStageⅢa/Ⅲbにおいては術前もしくは術後に補助療法を受けている割合はⅢa: 80歳以上; 4.3%, 75-79歳; 37.5%, 前期高齢者; 65.8%, 壮年; 69%, 若年; 66.7%, Ⅲb: 80歳以上; 15.6%, 75-79歳; 43.2%, 前期高齢者; 76.7%, 壮年; 71.1%, 若年; 68%と年齢層によって有意差があり(P<0.0001)、後期高齢者(75歳以上)では他の年齢層に比べて補助療法を受けている率が著しく低かった。StageⅢa/Ⅲbにおいては、全体でみるとCSによって補助療法を受けている割合に有意差があるものの(Ⅲa :p=0.0002, Ⅲb: p=0.005)、各年齢層ではCSが補助療法の有無に関係しているのはStageⅢaの壮年のみであった。(結論)①75歳以上の後期高齢者では補助療法が行われている割合が非常に低いものの、StageⅢb以外ではDSSには影響していなかった。②併存疾患はDSSには影響せずOSにのみ影響している。③補助療法の適応は併存疾患よりも年齢が重視されている。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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