演題抄録

ミニシンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

胃癌患者において術前化学療法が栄養状態および予後に与える影響

演題番号 : MS51-5

[筆頭演者]
右田 和寛:1 
[共同演者]
松本 壮平:1、若月 幸平:1、伊藤 眞廣:1、國重 智裕:1、中出 裕士:1、北野 睦子:1、中谷 充弘:1、金廣 裕道:1

1:奈良県立医科大学・消化器・総合外科

 

【背景】近年,癌患者において術前栄養状態が予後と関連することが報告されている.また,高度進行胃癌に対して術前化学療法が施行される機会が増加しており,術前治療が患者の栄養状態に与える影響は重要な問題であると考えられる.今回,我々は胃癌患者において術前化学療法が栄養状態ならびに予後に与える影響を検討した.【対象と方法】対象は2002年から2014年の間に当科で術前補助化学療法(NAC)を施行し,R0切除を行った胃癌患者47名(男性35名,女性12例,平均年齢64歳).レジメンはS-1 8名,S-1+CDDP 12名,S-1+DOC 12名,S-1+CDDP+DOC 14名,5-FU+CDDP 1名.術前栄養補助療法は全例非施行.血液検査から総蛋白値(TP),アルブミン値(Alb),総コレステロール値(T-chol),コリンエステラーゼ値(ChE),ヘモグロビン値(Hb),総リンパ球数を抽出しNAC直前と手術直前とで比較した.また,PNIを10xAlb+0.005x総リンパ球数で算出し,NAC前,手術直前とで比較した.【結果】TP(P=0.028)およびChE(P<0.001)はNAC前に比べ手術直前で有意に低下していた.NAC前/手術直前の平均Alb、総リンパ球数,PNIはそれぞれ4.1/4.0 g/dl,1505/1520 per mm3,48.3/47.8でいずれも有意差は認められなかったが,29名(61.7%)でPNIはNAC前と比較して手術直前に低下していた.PNIが低下した患者は5年全生存率31.8%とPNI上昇ないしは維持した患者77.8%と比較して,有意に予後不良であった(P=0.014).術直前のPNI低値,高値では予後との関連を認めず.多変量解析の結果,PNI低下は独立した予後不良因子であった.【結語】NACにより栄養状態は低下する可能性が示唆された.NACを行うことで栄養状態が手術直前に低下し,特に組織学的効果の得られない症例では予後を悪化させる可能性が危惧される.よって,NAC開始と同時に栄養補助療法を行う必要があると考えられる.

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:支持療法

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