演題抄録

ミニシンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

術前化学療法の効果予測バイオマーカー探索 COMPASS附随研究

演題番号 : MS51-2

[筆頭演者]
田邊 和照:1 
[共同演者]
吉川 貴己:2、大島 貴:3、宮城 洋平:4、森田 智視:5、西川 和宏:6、伊藤 友一:7、松井 隆則:8、木村 豊:9、青山 徹:2、林 勉:2、尾形 高士:2、長 晴彦:2、円谷 彰:10、坂本 純一:11

1:広島大学・大学院医歯薬学総合研究科・消化器・移植外科、2:地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター・消化器外科、3:横浜市立大学・大学院・外科治療学、4:地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター・がん分子病態学部、5:京都大学・大学院医学研究科・医学統計生物情報学、6:独立行政法人国立病院機構大阪医療センター・外科、7:愛知県がんセンター中央病院・消化器外科、8:愛知県がんセンター愛知病院・消化器外科、9:堺市立総合医療センター・胃食道外科、10:横浜市大附属市民総合医療センター・消化器病センター外科、11:公立学校共済組合東海中央病院

 

[はじめに]胃癌に対する術前化学療法の奏効率は強力なレジメンで行ったとしても50%程度で未だ十分とはいえず、抗癌剤の感受性予測は重要な課題である。これまで胃癌組織のバイオマーカー研究は、主として手術検体を用いて行われている。一方、術前化学療法における抗がん剤感受性予測研究では、内視鏡生検での評価を必要とするが、少量組織からの効果予測が可能かについて手法も含め十分に確立されていない。本研究に先立ちホルマリン包埋内視鏡生検組織からRNA抽出と測定が可能であることを予備実験で明らかにした。[目的]本研究の目的は、COMPASS試験(局所進行胃癌に対する術前化学療法(S1+CDDP (SC) vs Paclitaxel + CDDP (PC)、2コース vs 4コース)+外科切除ランダム化第II相試験)の附随試験として、内視鏡生検で得られた組織からRNAを抽出し特定遺伝子のmRNAを測定することで術前化学療法の効果を予測するバイオマーカーを探索することである。[方法]COMPASS試験に登録された症例を対象に、術前化学施行前の内視鏡生検組織からmRNAを抽出し、定量PCRにより127遺伝子の発現について検討した。またこれらの遺伝子発現レベルとGrade1b以上の病理学的奏効割合の交互作用がP<0.01で有意となる遺伝子について検討を行った。[結果]COMPASS試験に登録された83例(Grade1b以上の病理学的奏効率:SC 46%, PC 26%)のうち、78例 (94%)でmRNAの抽出・定量化が可能であった。効果予測バイオマーカーとしてTIMP1, RRMI, MUC2, DSG2, EGFR, ZDHHCI4およびCLDN18遺伝子が同定された。レジメン毎の検討では、SCレジメン奏効例においてはTIMP1, RRMI, MUC2, DSG2の高発現およびEGFR, XDHHCI4, CLDN18の低発現が有意に認められた。一方、PCレジメン奏効例においては逆にTIMP1, RRMI, MUC2, DSG2の低発現およびEGFR, XDHHCI4, CLDN18の高発現が有意に認められた。[結語]局所進行胃癌症例を対象として、内視鏡生検を用いた術前化学療法の感受性予測が可能であった。SC, PC両レジメンにおいて、いくつかの遺伝子発現がそれぞれ抗癌剤感受性を予測するバイオマーカーとなり得ると考えられた。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:バイオマーカー

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