演題抄録

ミニシンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

オピオイド誘発性の便秘症を有するがん患者を対象としたナルデメジンの第3相臨床試験

演題番号 : MS43-4

[筆頭演者]
篠崎 勝則:1 
[共同演者]
片上 信之:2、原田 敏之:3、村田 透:4、堤 雅一:5、横田 隆明:6、新井 政嗣:6、鈴木 ゆら:6、朴 威和:7、奈良林 至:8

1:県立広島病院・臨床腫瘍科、2:先端医療センター・総合腫瘍科、3:JCHO北海道病院・呼吸器内科、4:愛知がんセンター愛知病院・乳腺科、5:株式会社日立製作所日立総合病院・泌尿器科、6:塩野義製薬株式会社、7:国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院・消化管内科、8:がん研有明病院・緩和治療科

 

背景:オピオイド鎮痛薬はがん疼痛治療の中心的役割を担っているが,代表的な副作用としてオピオイド誘発性の便秘症 (OIC) が知られている.ナルデメジンはOIC治療薬として開発中の末梢性μオピオイド受容体拮抗薬である.
方法:2週間の二重盲検プラセボ対照比較試験 (検証試験) と,それに続く12週間の非対照オープンラベル試験 (継続試験) を実施した.検証試験では,スクリーニング期2週間の自発排便 (SBM) が5回以下等の基準を満たすOICを有するがん患者を,ナルデメジン0.2 mg1日1回投与群又はプラセボ群に1:1で無作為に割付けた.検証試験完遂後,希望者は継続試験へ参加した.検証試験の主要評価項目は治療期2週間でのSBMレスポンダー率とし,SBM回数が3回/週以上かつベースラインからの変化量が1回/週以上である患者の割合と定義した.最大の解析集団 (FAS)を対象に各群のレスポンダー率を算出し,カイ二乗検定にて群間比較を実施した.有意水準を両側0.05,群間差を23.5%と仮定し,90%の検出力を確保するため目標症例数を190例 (1群95例) と設定した.継続試験の主目的はナルデメジン0.2 mg長期投与時の安全性評価とした.
結果:193例が検証試験に割付けられ (ナルデメジン群97例,プラセボ群96例),131例が継続試験へ移行した.主要評価項目であるSBMレスポンダー率は,プラセボと比較して有意に高かった (71.1% vs 34.4%,P < 0.0001).主な副次評価項目のベースラインからの変化量もプラセボと比較して有意な改善が認められた [SBM回数変化量 (5.16 vs 1.54,P < 0.0001),残便感を伴わないSBM回数変化量 (2.76 vs 0.71,P < 0.0001),いきみを伴わないSBM回数変化量 (3.85 vs 1.17,P = 0.0005)].有害事象の発現頻度は,ナルデメジン群44.3%,プラセボ群26.0%であり,5%以上発現した有害事象は下痢のみであった (19.6% vs 7.3%).オピオイドの退薬症候や疼痛強度評価で,臨床的に意味のある変動は認められなかった.継続試験では107例が12週間投与を完遂し,有害事象の傾向は検証試験と類似していた.
結論:ナルデメジンはOICを有するがん患者に有効性を示し,忍容性も概ね良好であった.ナルデメジンはOIC治療の新たな選択肢となることが期待される.

キーワード

臓器別:その他

手法別:緩和医療

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