演題抄録

ミニシンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

再発・転移性腫瘍に対する緩和的放射線治療がQOLならびに精神心理に及ぼす影響

演題番号 : MS43-3

[筆頭演者]
高橋 健夫:1 
[共同演者]
西村 敬一郎:1、山野 貴史:1、鷲巣 佳奈:1、内海 暢子:1、本戸 幹人:1、村田 修:1、畑中 星吾:1、新保 宗史:1

1:埼玉医科大学・総合医療センター・放射線腫瘍科

 

【背景】
再発・転移性腫瘍に対しては症状緩和目的で放射線治療が施行され、特に骨転移を中心として症状緩和の有効性が数多く報告されている。効果判定の指標は主に身体所見や疼痛緩和効果で行われているが、放射線治療患者のQuality of life(QOL)や精神心理反応へ及ぼす影響についての検討は、国内ではほとんど報告されていない。今回われわれは再発・転移性腫瘍に対する緩和的放射線治療が症状緩和に加え、患者のQOLや精神心理反応に及ぼす影響について調査したので、これを報告する。
【方法・対象】
2014年10月から2015年10月にかけて当科で緩和的放射線治療が施行され、同意が得られた63人の患者を対象とした。放射線治療開始前と放射線治療終了日にQOLの評価としてEORTC-QLQ-C30とEORTC-QLQ-C15-PAL、精神面の評価にHospital Anxiety and Depression scale (HADS)の質問紙を用いてQOLと精神心理反応について調査を行い、Numerical rating scale (NRS)やPerformance status (PS) などの臨床指標と合わせて検討を行い、放射線治療前後での諸因子の変化を解析した。症例の内訳は骨転移47例、リンパ節転移6例、局所再発5例等であった。疾患別では肺癌24例、前立腺癌8例、乳癌5例等であった。照射線量は30Gy未満が9例、30Gy以上が50例であった。対象患者全員群と骨転移症例群についてそれぞれ検討を行った。
【結果】
対象症例全員ではEORTC-QLQ-C30ならびにEORTC-QLQ-C15-PAL を用いた評価でNRSとface scale、疼痛と不眠の有意な改善が認められた。骨転移症例群ではNRSとface scaleに加え、Global health status / QoL(QL2)の有意な改善が認められた。EORTC-QLQ-C15-PALの評価では疼痛と不眠に加え、疲労感と感情機能の有意な改善が治療後に認められた。HADSスコアにおいては不安の改善傾向が放射線治療後に認められた。
【結論】
緩和的放射線治療によってNRS、Face Scale、疼痛、不眠の値は改善した。特に骨転移症例群ではGlobal health status / QoL、感情機能、疲労感のスコアも改善、さらに不安感の改善傾向も認められ、放射線治療によるQOL改善の可能性が示唆された。緩和的放射線治療が症状緩和のみならず、患者のQOLや精神心理に対して良い影響を与える可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:その他

手法別:QOL

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