演題抄録

ミニシンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

癌性症状の緩和を目的とした積極的局所化学療法

演題番号 : MS43-2

[筆頭演者]
関 明彦:1 
[共同演者]
下野 千草:1、北田 文則:2、梅本 雅彦:2、大倉 良子:2、渥美 理沙:2

1:吹田徳洲会病院・腫瘍内科、2:吹田徳洲会病院・産婦人科

 

【背景】癌治療の全経過において、標準治療不応不耐状態となり緩和ケアを勧められた時点で、その後抗癌剤の投与が考慮されるケースは稀である。癌性症状に対して通常薬物治療等が考慮されるが、高度進行例の中には症状緩和が得られず、早期死亡する場合も多い。

【目的】標準治療不応不耐状態かつ癌性症状を有する進行再発癌に対して実施した局所化学療法(動注療法、動注化学塞栓術)の成績について報告する。

【対象と方法】対象は2007年7月以降、標準治療不応不耐と判定され、癌性症状緩和を主目的として局所化学療法を実施した再発進行癌連続28例(卵巣癌12例、肺癌9例、乳癌4例、子宮体癌2例、膵癌1例)。男性10例、女性18例、年齢中央値70歳(22-86歳)。癌性症状の原因である標的臓器の栄養動脈に経動脈的にカテーテルを挿入し、抗癌剤を動注した。使用動注regimenは癌腫に応じて選択した(婦人科癌 DTX:40mg+CDDP:30mg、肺癌及び膵癌 CDDP:30mg+5FU:500mg、乳癌 EPI:50mg+MMC:4mg+5FU:500mg)。肝動脈や気管支動脈など塞栓可能な栄養動脈は、抗癌剤動注後にビーズないしスポンゼル細片にて塞栓した。局所化学療法は3泊の短期入院で原則3~4週間隔、連続3サイクル実施し、その時点での癌性症状について評価した。

【結果】28例中、3サイクル未満で治療を中止した症例(理由)は肺癌3例(症状消失1、PS悪化1、患者拒否1)、膵癌1例(PS悪化)、乳癌1例(PS悪化)だった。他、23例(82%)は3サイクル以上継続可能だった。標的臓器は肝臓9例、肺9例、骨盤7例、四肢2例、その他3例だった(重複あり)。癌性症状(癌腫)とその改善率(緩和的薬剤や止血剤の増量なく症状が軽快・消失した割合)は、①肝転移による倦怠感と上腹部痛9例(卵巣癌5、乳癌3、膵癌1):88.9%、②出血10例(肺癌9、子宮体癌1):100%、③難治性局所痛9例(卵巣癌7、乳癌1、子宮体癌1):66.7%、④咳嗽や労作時呼吸苦7例(肺癌7):100%、⑤四肢リンパ浮腫2例(乳癌1、卵巣癌1):0%、であった(重複あり)。局所化学療法に関連する骨髄抑制や悪心嘔吐等の有害事象、癌性症状の悪化は全例で認めなかった。

【結論】局所化学療法は標準治療不応不耐の厳しい症例群を対象とした場合でも高い症状改善率と忍容性を認め、積極的緩和治療の1つとなりえる。本治療の対象となる癌腫や癌性症状、動注regimenの選別に関してさらなる検証が必要である。

キーワード

臓器別:その他

手法別:IVR (Interventional radiology)

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