演題抄録

ミニシンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

治療法のない難治性頭頸部非扁平上皮がん患者に対するホウ素中性子捕捉療法

演題番号 : MS28-4

[筆頭演者]
加藤 逸郎:1 
[共同演者]
岩上 隆紀:2、山本 直典:3、藤田 祐生:4、大前 政利:5、墨 哲郎:4、中澤 光博:1、村田 勲:6、櫻井 良憲:7、増永 慎一郎:7、丸橋 晃:7、小野 公二:7、鈴木 実:7

1:大阪大学・大学院歯学研究科・顎口腔病因病態制御学講座、2:社会医療法人生長会阪南市民病院・歯科口腔外科、3:社会福祉法人恩賜財団済生会支部大阪府済生会千里病院・歯科口腔外科、4:市立豊中病院・歯科口腔外科、5:地方独立行政法人りんくう総合医療センター・歯科口腔外科、6:大阪大学・大学院・工学研究科・環境エネルギー、7:京都大学・原子炉実験所・粒子線腫瘍セ

 

【著言】唾液腺悪性腫瘍は放射線治療や化学療法に抵抗性であり、手術を行うのが一般的である。悪性腫瘍では最もポピュラーな腺様嚢胞癌(ACC)は、神経に浸潤しやすい性質があるため、手術による治癒切除は、極めて困難であり、有効な治療法のないのが現状である。また顎顔面領域の骨・軟部肉腫の治療では、多剤併用化学療法や複雑な再建を伴う手術が必要で難治性になる経験をしばしばする。我々は、機能温存性と審美的性が重視される頭頸部悪性腫瘍には、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)が適すると考え、2001年に世界に先駆けて、京都大学原子炉実験所と共同で、頭頸部がん患者に対してBNCTを実施した。【対象】2001年12月~2012年2月までに難治性頭頸部非扁平上皮がん患者で他に治療法がない11例に対し、合計18回のBNCTを京都大学原子炉実験所で実施した。内訳は、唾液腺腫瘍7例(腺様嚢胞癌4例、粘表皮癌3例)、肉腫4例(骨肉腫2例、軟部肉腫2例)であった。初期の3例は、BPAとBSHを併用したが、それ以外は、BPAのみで治療した。【結果】どの症例も治療時には、かなり進行した状態であった。腫瘍組織と正常細胞の10B濃度比(T/B 比)は、肉腫で平均2.9(2.2-4.0)、唾液腺腫瘍で平均2.8(2.0-3.7)であった。奏功度は肉腫では、CR:2例(50% )、PR:2例(50%)。唾液腺腫瘍では、CR:4例(57% )、PR:3例(43%)で、奏効率は共に100%であった。
2015年4月現在の時点で、治療後の生存期間は、肉腫では、8-115ヶ月、唾液腺腫瘍では、3-84か月(平均生存率は、24.2か月)であった。またBNCTには機能温存、審美性の維持など他にも利点は多い。【結論】BNCTは、治療法のない難治性頭頸部非扁平上皮がん患者に対し、生存、QOL改善、機能温存にも寄与する極めて有望な治療法である。

キーワード

臓器別:頭頸部

手法別:放射線治療

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